2015.08.18 Tuesday
再就職戦線戦果報告 〜 50過ぎてからの日本語教師
今日は午前中,阪急電車に乗って大阪の専門学校の日本語科に面接に行った。
午後に,日本語学校3件から電話が来た。
1件は午前に面接に行った学校から採用の連絡。早い。教案が未完成のまま面接・模擬授業の日が来て,よれよれの授業になってしまったのだけど。
また1件も,昨日面接に行った学校から採用の連絡。採用3件目である。3校のかけ持ちの勤務は難しいだろう。心苦しいが辞退させていただいた。
残り1件は面接の連絡。これも心苦しいが,もうすでに他校で採用が決定していることを伝えて辞退させていただいた。
やれやれ。これで中国から帰っての就職活動終了だぁ〜。
さてさて,日本語教師という仕事は社会的評価も給料も低い仕事である。
もう,本当に「この仕事が好き」「楽しい」と思ってなければやってられない。
だいたい,日本語教師が職業として成り立っていない。
常勤(専任)講師:非常勤講師=3:7。この数字がこの業界の常識であるが,実は無報酬でやっているボランティアは,この数字から場外されている。そして,このボランティアの比率が実は非常に大きい。
配偶者の収入が当てにできる主婦,定年退職して年金収入がある人にはやりがいのあるパート労働や社会奉仕活動になるが,家族を養うのは厳しいのが現実である。
それでも,日本語教師をやりたい。仕事にしたい。そんな奇特な日本語教師を慰めてくれる有難い,日本語教師の間では(たぶん)有名な言葉がある。
「日本語教師は職業ではない。生き方だ」(※注)
いや,全然有難くないって。現状に甘んじずに,現状改善を考えて欲しいな。
「自らの生活のために,立ち上がれ日本語教師!」
「団結せよ! 日本語教師」
って,日本語教師は団結して,自らの待遇改善を世間に政治に訴えなきゃ。そう思う。
まあ,そんなこんなで日本に戻ったら日本語教師は廃業と覚悟していた。日本に戻って,日本語教師の職を探しても,ほとんど1コマ数1500円から2000円ぐらいの非常勤講師しかないし・・・。
先生の収入より,バイトしている学生のほうの収入のほうが多い(日本語を勉強中で,まだろくに日本語が話せないというのに!)という笑えない現実さえ珍しくない。日本語教師の収入の現実はここを見てちょんまげ(←死語)。
なのに,なのにであるが,中国は常州から戻って来て職探しを始めて,これまでに日本語教師だけで10件も応募してしまった。
好きだねぇ,日本語教師。
実は今,日本語教育業界の求人が急増している。
中国からの留学生は減っているが,ベトナムやミャンマーからの留学生が急増しているのだ。それで,各学校は日本語教師不足の状態になっているようだ。
そんで,気がついたら10件も次々と応募していた。
さて,10件の戦績
◆応募したのに先方から何の連絡もなし:2件
募集に際して,あらかじめ「書類選考に通過した方のみ面接の連絡をいたします」と断っている学校もある。その場合,連絡がないのは仕方がない。しかし,このような断りがないのにもかかわらず,何も連絡がない学校もある。わたしは性格が悪い。このように,企業としての対応がルーズな学校は実名で告発する。
メリック学園(大阪),レクシスジャパン(神戸)の2校。
◆書類選考で落ちた:3件
◆面接まで進んだが落ちた:0件
◆面接まで進んで採用の連絡をもらった:3件(うち1件採用辞退)
◆書類選考は通り面接の連絡をもらったが辞退:2件(すでに内定が3件あるため)
以上
年齢がオーバー50で,日本国内の学校での指導経験無し(※「日本国内の日本語教育振興協会の認定校で指導経験2年以上」を応募条件にしている学校が多い)にしては健闘しているのではないかと自画自賛しておこう。それにしても採用を辞退とか,履歴書送って面接の連絡が来たのを辞退って長い人生で初めてのことだ。
いやぁ,連日,面接で課される模擬授業の教案を考える日々だったので頭脳のほうがへとへと。
わたし,そもそも教案書かずに,指導の重点項目を確認して頭の中で大まかな流れだけ作って教室に入る人なのだ。テーマだけ決めて後はアドリブのジャズみたいだ。プロレスみたいだともいえる。落語家で言えば古今亭志ん生や笑福亭松鶴だ。
そんなええもんか! 教案考えながら,つくづく自分は授業下手だなと思う。まあ,そこは教壇に立った時のステキなルックスと立派な人格がカバーだな。
事前に緻密な計画やスケジュールを立てるのが苦手だから,編集者時代も上司の立てた緻密なスケジュール無視して,締切日につじつまが合わせることを考えて仕事してたもんな。
それでもちゃんと締切にはちゃんと脱稿し,校了させていたからエラいもんだ,あはは。
だから,教案づくりは大の苦手だし,予定調和されたきれいな流れの授業も苦手。その苦手なことをやる日々から,とりあえず解放された。
以上,6月いっぱいで中国の日本語教師を無事契約満了で終了したわたしですが,10月(※いずれの学校も新学期の授業開始は10月から)から,ここ日本で日本語教師として再出発いたします。
ようやく肩の荷が下りたので,ためていたネタで明日も記事書くからね。
※注: 本を読んでないので正確なことは言えないが,「日本語教師は職業ではない。生き方だ」という言葉は著者の意図とは違った意味で流布しているように思う。わたしも,あえて,この記事ではその誤解されていると思われる意味で使ったけれど。
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