2012.06.15 Friday
ハンサム度200%
形容詞の授業をした。
クラスの実習生17名。すべて女性というか、みんな20歳前後だから女性というより女子だな。
形容詞というと、学校文法では言い切りの形が「い」になる修飾語。例えば、「美しい」「おもしろい」「赤い」といった言葉、ということになるが、日本語教育では学校文法の形容詞を「い形容詞」、形容動詞を「な形容詞」として教える事が多い。
初めての形容詞の授業である。
教科書の例文に、
「木村さんはどんな人ですか?」
「きれいな人です。」
というのがある。
木村さんを、ウチの学校の先生に代えて、実習生に質問してみる。
代入練習と言うのである。
「○○先生はどんな人ですか?」
わたしについても聞いてみる。
「元気な先生です」「おもしろい先生です」「ハンサムな先生です」「親切な先生です」「かっこいい先生です」。
いろいろな意見が返ってきた。
この単元に出てくる、男性を修飾できる形容詞が「静かな」を除いて、出尽くした感じである。だれも「静かな先生です」とは言わない。「にぎやかな先生です」という意見も聞こえたが、日本語としてやや違和感があるし、そもそも、ほめ言葉ではないだろう。聞こえないフリをして華麗にパス。
これらの意見については、「わたしの授業はいつも活気がある」と勝手に解釈しておいた。
「知的な先生です」「紳士的な先生です」という意見があって当然なのであるが、そうならないのは「紳士的な」とか「知的な」という単語を、この単元ではまだ習ってないからである。
しかし、ハンサムって言葉、今どき使わないだろう。
このテキストでは、ピンポン(卓球)もタイプ(タイプライター)も現役の言葉であり、切符には、はさみ(パンチ)が入っている。
中国人講師K先生について聞いた。
一斉に、本当に一斉にという感じで「ハンサムな先生!」という意見が最初に返ってきた。
「おー!!!!! みんな、K先生はハンサムな先生と言いましたね」
K先生は長身で、イケメンとはちょっと違うのだが、私を含めて3人いる男の先生の中では確かに一番ハンサムだろう。
「よし、分かった。K先生とわたしと、どっちがハンサムか、かっこいいかみんなに聞こう!!!!」
ホワイトボードに集計用の簡単な表を書く。教室は完全にお笑いモードに入る。
「K先生はハンサムな先生だと思う人、手をあげて」
全員の手が挙がる。17人・100%と表に書き込む。
「○先生(私)はハンサムな先生だ思う人、手をあげて」
全員の手が挙がって、さらに両手を挙げる実習生がいて、さらにそれを見た実習生が
両手を挙げる。
17人いる教室で34の手が挙がった。34人・200%と表に書き込む。
お笑いモード加速。暴走モードに入る。
「K先生は、かっこいい先生だと思う人、手をあげて」
全員の手が挙がる。17人・100%と表に書き込む。
「○先生(私)はかっこいい先生だ思う人、手をあげて」
さっきのことがあるので、ほとんどの実習生はいきなり両手を挙げ、さらに残りの実習生も両手を挙げ、ここでもまた17人いる教室で34の手が挙がった。
暴走モード止まらず。
34人・200%と表に書き込む。
圧勝である。が、狙い通りここで授業終了の時間。
Fin。
☆ ☆ ☆
以前別のクラスで、「わたしは、どんな先生ですか?」という質問をしたら、「若い先生です」という意見が結構出た。若くないのに。
実習生の父親・母親の年齢が私より年下ということは珍しくない。
で、何歳ぐらいだと思っているのか、実習生に聞くと、実年齢より20歳以上若く見られていた。もっと年上だ、もっともっと年上だと言っても、30歳代後半止まり。
こういうのってやっぱり得なんだろうか。
南雲吉則(※注1)になれそうだ。
老眼と白髪(※注2)に悩む今日この頃。
※注1: こういった人達の「○○健康法」とか「○○美容法」というのは、周りの人たちから「元気ですね」「若いですね。秘訣は何ですか?」とか言われて、何かほかの人と違う事やってるかなと考えて、そういえば俺(私)、あんなことやってる、こんなことやってると、思いつきを並べてるだけじゃないかと思う。もっともらしい理由は後付けである。栄養学的、科学的には、老化を遅らせるのに有効なのはビタミンEをとることである。
※注2:白髪については、中国には白髪を防ぐ中薬(漢方)配合のシャンプーが何種類かある。さすが中国。ジャッキー・チェンのみならず、私も愛用する覇王は、中薬(漢方)配合のシャンプーの最大手。どこのスーパーにもある。中国ではボリュームゾーンの平均的な価格のシャンプーなのだけど、日本だと中国の数倍の価格になっている。高級品だ。発がん物質が含まれている? 心配しなくていいんじゃないかと思う。
【おまけ:実習生の誤用】
誤: デパートで ぶらぶらを しました。
正: デパートを ぶらぶらしました。
解説:副詞の「ぶらぶら」を、名詞と同じ扱いにした誤用である。などと真面目に分析しているが、実習生のノートにこの文を発見したとき笑った。ぶらぶらを・・・しないだろ。
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