2015.07.29 Wednesday
一人,二人・・・四人(よったり) 〜 中国的日語課本
「ひとり,ふたり,さんにん,よったり・・・」
いまどき誰が使うのだろう? よったり。
でも、たしかに「よったり」という日本語は存在する。
でも,寿司屋にウエートレスは存在しない。
空手! である。上の「タイプ」というのも古いなぁ。
事故車じゃないかと思う。
たぶん画像データのファイルが壊れていたのだろう。
でも大陸的で大らかな中国の人はこの程度のことは気にしない。
でもわたしは,島国の日本人で細かいところまで気になるから,授業中に教科書の誤りをいちいち訂正する。
余計な仕事を増やさないで欲しい。
そして,9月から3年生(最高学年)になる2年生の日本語力はこの程度で終わってしまった。
笑えない。
※注: 「給力(ゲイリー)」は、日本のアニメの登場人物のセリフの中国語訳で盛んに使われ、そこから流行した言葉らしい。「你太給力了」は、直訳すると「あなたはとても力を与える」となるのかな。「あなたはすごい」「あなたは最高だ」のようなほめ言葉である。
中国の人が日本語をやると、一般に濁音と清音の区別や長音が苦手である。つまり学生の回答の「さいご」は「さいこう(最高)」の誤り。
「薬を食べます」の誤りの原因は、中国語は「薬を食べる(吃药)」と表現するからである。
希望しないことを表す「動詞・連用形+くないです」とか,提案の表現の「動詞・基本形+といいです」「動詞・た形+らいいです」とか,「時間+かかります」「時間+く(ぐ)らいかかります」とか,いずれの問題も授業中に何度も練習させたことだけを出題したのだけど,ぜーんぜんできてません。わたしの指導力不足です(←謙虚)。
2015.07.27 Monday
老師我8月4日去大阪 〜 from 南京(その1)
工事中 途中です 工事中 途中です 工事中 途中です
何度も書いているけど,常州機電職業技術学院の商務日本語科の学生は日本語が下手だ。
わたしの中国語もたいがいなんだけど,大学の日本語科に在籍している学生の日本語会話力が,わたしの中国語会話力以下と言うのはおかしいではないか。
濰坊や深圳で教えていていた時は,「あいうえお」の勉強から始めた子たちが,3か月もすると簡単な会話が話せるようになっていた。
わずか3ヶ月ぐらいでわたしの中国語会話力より、彼ら・彼女らの日本語会話力の方が上回るのである。
本人に学習意欲があり,指導する側のコース・デザインが適切であればそれが当たり前なのである。
常州機電職業技術学院、つまり大学(中国語の“大学”は英語のuniversity にあたる)ではなく、職業技術学院(中国語の“学院”は英語のcollege に近い)だから,最終学年は3年生である。
3年生でも9割がたの学生が,ごくごく初級の会話さえ成立しない。
「名前は何ですか?」のような質問さえ,聞き取れない,答えられないことも珍しくなかった。隣の学生が「你的名字(あなたの名前よ!)」なんて中国語に通訳してる。
わたしですら、「This is apen.(这是一支笔)」「What is your name?( 你叫什么?)」程度のごくごく初級の中国語は聞いて理解できるし、返答だってできる。
その常州機電学院の商務日本語科1年生の学生は,たったの8人(※注)だった。
女子が7人で,男子が1人。
わたしが初めて教室に入って行ったとき,一番最初にニコニコして「せんせい!」と声をかけてきたのが,眼鏡をかけて,とても聡明そうな顔をした張さんだった。
美人といっても良い。
「日本が好き」とか「来年の8月に日本に行く」とか,積極的に中国語,英語そして少しばかりの日本語のチャンポン状態で話しかけてくる。
言いたいことがいっぱいあって、でも日本語は習い始めたばかりでまだほとんど何も話せない。
それで、先生はというと中国語をほんの少しばかり理解できるようだが、ほとんど理解できない。そんな日本人のこのわたしに自分の言いたいことを、3ヶ国語をチャンポンにしながらなんとか伝えたいのである。
可愛いではないか。けなげではないか。
わたしは大好きだ。
この子は日本語で話したいことがいっぱいあるから,上達は早いかなと思っていたのだけど,1年やってみたら結局成績は下位グループに落ち着いた。
だって,授業の流れに乗れず,ピントの外れた自分の興味があることばかり質問したり,どうも授業とは興味とか思考の方向がズレちゃうんだもの。
話が噛みあわないというか,クラスに必ずいる,人の話しが聞けない,つまりは勉強のできないタイプなのだけど。
言語の使用や学習を成功させるために行うさまざまな工夫をストラテジーという。
ストラテジーは大きく2つに分別される。
一つは
※注: 後期になって,軍(つまりは人民解放軍だよね?)にいっていた学生(女子1名)が学校に戻ってきて9人になった。この学生は1年生の終わりになっても「あいうえお」も満足に読み書きできずに終わってしまった。
全然,「軍」なんて似合わない感じの女子学生である。
人民解放軍は絶対に弱い。
2015.07.11 Saturday
我が最愛の常州市武進区湖塘老街ノスタルジア 〔改〕
〔改〕写真と文章を追加しました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
上海から南京にかけての地域を江南という。
江南水郷といって、町の中を運河がたくさん走っているのが特徴だ。
運河とそれにかかる古い橋。そして向こう側に開放改革中国を象徴する高層建築群。わたしが常州でいちばん好きな、つまり我が最愛の湖塘老街の風景↓。
常州市内には明の時代につくられたという立派な石橋も残っている。それに対して、この湖塘老街の名もない橋 (※実は名前があった。湖塘橋) の簡素なこと。
いかにも地域の老百姓(※中国は一般庶民のことを老百姓という)のための、といった佇(たたず)まいが大変に好ましい。
海南島さん、「我が最愛の」が「話が最愛の」になってまっせぇ。
武進区の吾悦広場は、カルフールがありユニクロと無印良品が仲良く向かい合い、吉野家もある(残念ながら閉店した)ので、常州在住日本人にも人気のショッピング・スポットだ。
湖塘老街は、そんな吾悦広場と道一つ隔てたところにある。
運河沿いにも開放改革と格差を象徴するような光景は当然のように見られる。
湖塘老街。「老街(ラオジエ)」の名前の通り、このあたりは開発が遅れて、清朝や民国の時代の建物がたくさん残っている。
老街にいくつかある公衆トイレは、もちろんすべてドアのない、そして便器がなくて溝があるだけのニーハオ・トイレである。
橋のたもとにある小さな古びた建物には査証の文字がある。今ではすっかりさびれた老街だけど、昔は外国の船が来て交易していたのか?
前近代的。
不衛生。
でもそんな老街が発する魅力は、つまりはそこで生きる素朴な老百姓の魅力なのだろう。
食堂に入る。普通、外国人はこんなところにある食堂には入らない。
日本人ということがわかると、時に店員のむき出しの好奇心の餌食になってしまう。
「工作(※ゴンゾー。仕事のこと)で来たのか?」
「うん、仕事」
「一人で来たのか? 老婆(※ラオポー。嫁さんのこと)は一緒じゃないのか?」
「離婚したから一人」
「仕事は何をしているんだ?」
「日本語教師」
「工資(※ゴンズー。給料のこと)はいくらだ?」
本当に中国人はこの質問をよくする。
「多くないよ。5000元くらい」
「日本語を教えてくれ。ニーハオは何というんだ? シェシェは?」
わたし、一度だって日本人であるという理由で中国人から、不快な、あるいは乱暴な扱いを受けたことはない。
わたしのステキな人柄のおかげであることは間違いない。なぜ誰もそう言ってくれないのだろうか。
開放改革の光と影。影は光が強ければ強いほど濃くなる。
道はまっすぐ北へと続く。
そして老街はやがて廃墟に入り込む。
常州の武進区政府はこの湖塘老街を再開発して、観光地にしようと計画している。こんなふうに↓。
常州市の役人は、マーケティング調査がずさんなまま巨額の金を使って施設を造るという悪い癖がある(※これ、常州だけじゃないような気もする)。たいへん金をかけた巨大な建物・施設なのに完成後、利用されぬまま廃墟になっているところがあちこちにある。
湖塘老街のすぐ隣にも暇日広場というところがあり、そこには、それは見事な超高層のツインタワービルがあるのだが、利用されることはなく見事に無人の廃墟と化している。まだ築5年くらいしかたってないのではないかと思える新しいビルなのに。
湖塘老街の再開発は大丈夫なのか。そう思うのはわたしだけではあるまい。
湖塘老街をそのまま北へ歩くとやがて京杭大運河に行きつく。
そう、今から約1400年前に隋の煬帝 (※小野妹子から「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す、恙無しや」から始まる国書を受け取って激怒した人) が完成させた、北京と杭州を結ぶ総延長2500キロメートルに及ぶ大運河である。
この世紀の大土木工事に徴発された人民の困窮ははなはだしく、やがてそれらの不満は各地で農民の造反を招き、隋はわずか30年で滅亡してしまう。
無名のまま一生を終える老百姓のささやかな暮らしがそのまま投げ出されている湖塘老街の道は廃墟を通り抜け、そして絶大な権力を持ち後世にまでその名を残した皇帝が完成させた大運河にいたる。
開放改革の中国から、中華民国、清を通り抜け、はるか隋の時代へのちょっとした歴史散歩。
パール・バックが描いた『大地』の物語が、今もまだここにも生きているような気がした。
2015.07.08 Wednesday
カルフールは中国語で家楽福。ジャラフーなのだ
中国語ではカナダ(Canada 加拿大)は「ジャナダ」、キャノン(Canon 佳能)は「ジャノン」のような発音(日本人の耳にはそう聞こえる)になる。
なぜ「ca」音が「チャ」や「ジャ」になるのか。
(1)(2)は関係者さんの説明。
(1)音訳した当時、これらの漢字はまだ「カ」音やったから、すんなり採用できた。参考までに、古くして朝鮮や日本に入ったこれらの漢字の音読みは「カ」系である。その後、北方語(北京語など)で口蓋化が進み、本家では「チャ」、「ジャ」系になった。
(2)音訳した当時、中国の政治・文化の中心は華中やった。ミショナリー系の西洋人も、だいたい華中・華南が守備範囲やったから、そっち方面の発音を持った漢字を採用した。
「カーフェイ」や「ガーリー」が「チャーフェイ」や「ジャーリー」にならんのは、口蓋化終了後に音訳したため、新たに「カ」系音を持つ漢字を使うたからやろな。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
関係者さんの説明する(1)(2)について、わたしの乏しい知識でちょっとだけ考えてみた。
中国語の発音(漢字の発音)については、漢字は時代によって発音が変化しているものがあること以外に、中国語は地方による発音の違いが大変大きい。方言なんて生易しいものではなく、実は全くの別の言語なのである。
そんなわけで、私のような中国語初学者は全然出る幕ではないのだけど。
カナダを中国語で書くと加拿大(jia na da)で、キャノンは佳能(jia neng)となる。
日本語の音読みでは「カ」である「加」「佳」が、いずれも現代の中国語(普通話)ではjiaという発音になっている。
日本の漢字の音読みというのは、中国の昔の発音を今に残しているものが多い。「家」も日本語の音読みに「カ」があるが、現代の中国語ではjiaと発音する。
加・家・佳はいずれも、昔の中国のある地方では「ジャ(jia)」ではなく、「カ」のような発音だったのだろう。
(2)のミショナリー系の西洋人も、だいたい華中・華南が守備範囲やったというのは、欧米の茶の発音がcha系ではなくte系であるところにも表れている。
「茶」の発音は中国語(普通話)でもチャー(cha)である。
中国語の茶の発音は,方言にによってcha系とte系に大きく大別される。
英語の茶はteaでティー。これは主に欧米へ茶を輸出していた福建省の茶の発音がte系の発音なのである。
ところで、CANADAは日本語ではカナダなんて発音しているけど、英語のCANADAはキャナダのような発音だから、英語圏の人が聞いたら中国語のジャナダーのほうがまだCANADAに近く聞こえているかもしれないとも思う。
McDonald's(メッダーノウズ、ミッダーノウズ)を、日本語でマクドナルドとしたのは藤田商店の藤田田。
「マクドナルド。どや、日本人に親しみやすい発音やろ」と何かの本で藤田田が言っていた。もっとも関西弁じゃなかったけど。
そんで調子に乗って「日本人もマクドナルドのハンバーガーを食べ続ければ、アメリカ人のようなブロンドの髪と青い瞳の人種になる」と言っていた。
さすがに、ここまでデタラメを言われると非難する気にもならない。異人さんに連れられて行っちゃった、赤い靴はいてた女の子じゃないんだから。
アメリカ人がブロンドの髪と青い瞳というのもなんだし。
マクドナルドは中国語では麦当劳(maidanglao)で発音はマイダンラオのような感じになる。
マクドナルドもマイダンラオも、いずれも英語圏の人にはまったく意味不明であることは間違いない。
北京放送の高橋さんが「日本から来た友人に“中国にはバクトウロウがたくさんあるね”と言われて、最初は何のことか分からなかった」と言っていた。
中国語の麦当劳をバクトウロウと読まれては、在中国の日本人には何のことか分からない。中国語でマイダンラオと言うか、素直にマクドナルドと言え。
これと似たようなことはたくさんある。
上海のホトウと言われて、何のことか分かる在中国の日本人は少ないのではないか。
わたし、初めて聞いたとき分からなかった。上海の浦東は、ホトウではなくプートンと言って欲しい。
日本人の利用が多い深圳の粤海酒店は『地球の歩き方』で「えつかいホテル」と振り仮名をふっていた。
深圳在住の日本人はみな粤海は、日本語の音読みではなく中国語の発音に近い「ユエハイ(ホテル)」と呼んでいる。「えつかい(ホテル)」では深圳在住の日本人にはちょっと通じにくいだろう。
その他、地名も(深圳では)深圳在住日本人は「福田(区)」はフーテン、「南山(区)」はナンシャンと中国語の発音に近い言い方をしている。
ふだからフクダとかナンザンとか言われると一瞬戸惑うのみならず、「ふ、ふ、ふくだだって・・・ぷっ」と吹きだしそうになる。
さて、カルフールがなぜ中国語で家楽福(ジャラフー)になるのか。
これ、わたしは関係者さんの言う「他のもんに合わしたか、どうしても“家”の字を使いたかったんかな」というのは、かなり正しいのではないかと思っている。
わたしは、日本語教師であるから、もちろん世界中の言語に通じている。
だが、残念ながら英語と中国語とフランス語だけは苦手なので、Carrefourはフランス語でどう発音するか知らない。
でも、家に楽に福である。中国人大好きな漢字3つの組み合わせだ。
濰坊のあちこちにある「佳楽家」、深圳に住んでいた時一番近かった「人人楽」など、地元資本のスーパーの名前もこの3つの漢字のどれかが入っていることが多い。
家楽福で「ジャラフー」というのは、中国人の耳に聞こえるフランス語の(あるいは英語の)Carrefourにかなり近いのであろう。
Carrefourが家楽福。意味よし、発音よしではないか。
発音と意味が一致したコカ・コーラの「可口可楽」、ミニスカートの「迷你裙」(裙 [qun] はスカートのこと。迷你の発音はミィニィ。あなたを迷わすスカートという意味になる)と共にとてもいい訳ではないかと思うのである。
2015.07.05 Sunday
【ブログ再開】帰国しました 〜 さて、どうしましょ
6月30日、吉祥航空・HO1335便は無事、上海・浦東国際空港を飛び立ち、無事関西国際空港へ着陸した。
最近、飛行機というとピーチ航空とか春秋航空とかLCCばっかりだったので、吉祥航空は荷物を2つも預けることができるとか、不味いけど機内食が出るとか、少しばかり座席が広いことに単純に喜ぶ。
しかし、日本へ向かう機内は、日本へ帰る日本人もいっぱい乗っているだろうと思っていたのに、日本で炊飯器とウオシュレットを買う気満々の中国人だらけ。
実は中国人は日本大好きなのだよ。
とにかく、日本に戻ってきた。
帰国してから今日まで?
特に何もしてません。散髪して、書店やタワーレコードや図書館に行ったり、スーツケース開けて荷物を整理したくらいで。
なお、わたしの実家は神戸の須磨で、しかも元少年Aの実家のごくごく近所なのだけど、このあたりの書店に当然のこと『絶歌』は置いてません。
【第1部】 帰国にあたって 〜 日本語教師3人の対話
海南島: 非常に寂しいですが、中国での日本語教師職務を全うされたchinamychinaさんに、心からお疲れ様と申し上げます。
かもめ: 中国生活、ほんとうにお疲れ様でした。日本に帰って、しばらくゆっくりお休みください。
常 州: ありがとうございます。大学の先生は実働時間少ないので疲れてませんよ(笑)。日本に帰って無職なので、嫌でもしばらく休むことになってしまってます(笑)。いや笑い事じゃないんですけど。
かもめ: 学生たちとの別れも寂しいでしょうけど、異国での一人暮らしはやっぱり大変だと実感しています。
常 州: 学生との別れはとても寂しいですね。どこに行っても学生たちはみんな可愛い。「先生はいつ中国に戻りますか」なんて言われると、別に悪いことしているんじゃないけど学生に悪いなと思ってしまう。今のところ中国に戻る予定はないんですから。異国での一人暮らしはねぇ、寂しいことより不便なことのほうが辛いですね。中国語もほとんどできないので、屋台でうまそうなもの見ても、注文の仕方が分からないときはあきらめたりして。意外に小心者なんです。こんなとき中国人のパートナーがいていろいろ教えてもらえたらなぁと切実に思ったりしますね。さいわい今回は何もありませんでしたが、急に重篤な病気になったらとかという不安もありますし。常州ってわたし好みの美人が多いんです。ますます切実にパートナーが欲しいって思ってしまいますよね。
海南島: 結局、何年をこの国で過ごされたのでしょうか。
常 州: お二人と一緒です、3年。ただずっと大学ではない。1年目は実習生の送り出し機関、2年目は民間の日本語学校、そして3年目が常州の大学(職業技術学院)です。民間と公立の学校の教育の違いを知ることができたので、この3年間はとても勉強になりましたね。中国も華北(山東省)→華南(広東省)→華中(江蘇省)と移り住んだので、中国の地域による違いも面白かったです。
かもめ: 日本から引き続き、ブログを発信されるとのことですので楽しみにしております。
海南島: 日本から、また鋭いお言葉を発信されることを待望いたしております。
常 州: ありがとうございます。まとまりのないテーマでいろんなこと書いてきましたが、意外に読んでくれている人がいるんですよね。ブログ村のランキングは最近下降気味ですが(ほっといてくれ!)、アクセス解析見るとだいたい1日に150人から200人以上の人が訪れてくれている。だから、止めるのはもったいないなと思って。ここで出会う人って趣味や嗜好、考え方が近い人が多いので、これからもそういう貴重な出会いができるでしょうし。最後に、お二人には重ねてお礼申し上げます。ありがとうございました。あっ、かもめさん。神戸で会いましょうね。
【第2部】『日本料理制作大全』正解と解説
遅くなりました。6月21日のエントリーの正解と解説です。
中国語名は『日本料理制作大全』で紹介されていた料理名です。
1.
おにぎり(中国語名:五穀黒豆飯団)
五穀黒豆のおにぎりです。外国人には寿司とおにぎりの区別は大変難しい、ということをこの本で初めて知りました。
2.
牡蠣の寿司(中国語名:生牡蠣寿司)
もう何から何まで、すべてが嫌がらせの領域です。
3.
チャーハン(中国語名:日式三文魚黄金炒飯)
直訳すると「日本式・鮭の黄金チャーハン」。
なぜ黄金? 作り方を読んでみると、卵の白身は使わず黄味だけを使っています。それで黄色を強調して黄金ということのようです。
4.
チャーハン(中国名:鰻魚炒飯)
鰻のチャーハン。これ、意外においしいかも。
関係者君、惜しい。最初の五目炒飯で、わたし、ほぼ正解としていたのに。
5.
ポテト・サラダ(中国語名:日式土豆沙拉)
関係者君の最初の解答どうり「山芋すり下ろし」に見えます。なんでこんなにドロドロになるのでしょうか。作り方の最後に「牛乳を適量入れて混ぜ合わせる」とありました。
6.
味噌汁(中国語名:海鮮味噌湯)
「茶わん蒸し」じゃないですよ。だから器をヒントにしてはいけないと何度も注意したでしょ。
中国語名を直訳すると「海鮮の味噌汁」。でも、解説を読んでも材料の調味料に「味噌」が書かれてません。「高湯粉」というのを主要な調味料としてます。「高湯粉」って何?
中国語でも味噌は味噌。豆腐の味噌汁の作り方にはちゃんと味噌5グラムとか書いてあるのですが。
7.
親子丼(中国語名:親子丼)
卵はどこに行ったのでしょうか? ちゃんと作り方にも最後は卵を入れて蓋をして煮るとあるのですが。
8.
カレーライス(中国語名:咖喱猪排飯)
直訳すると「ポーク・カレー」。ルーが見当たりません。理由が二つ考えられます。
・ルーがさらさらのスープ状のため下に沈んでいる
・もともとルーが異常に少ない
中国で日式カレーというのを注文すると、ルーの量が異常に少ないカレーが出てくることが多いです。野菜と肉のカレー煮込みをご飯の上にのせたような。不味いです。
そして普通に中国のカレーというと、塩味がちょっと強いさらさらしたスープ状のものが多いようです。わたしが深圳の安食堂でよく食べていたカレーがそうでしたし、北京放送の高橋さんも、社員食堂のカレーについてそんなことを言ってました。
なお、インターネット上で「中国では日本のカレーライスが大ブーム」という記事をよく見かけますが、まったくのデタラメです。
9.
野菜カレー(中国語名:和風蔬菜咖喱鍋)
直訳すると、和風野菜のカレー煮込み。
どうしてもカレーに見えません。関係者君の言うように「海鮮味噌スープ」でしょう。本の編集の段階で写真を間違えたのかと思いました。
作り方の材料として挙げられているものと写真を照らし合わせてみると、誤りではありませんでした。やっぱり和風蔬菜咖喱鍋です。
10.
うどん(中国名:牛肉烏冬面)
中国語の「烏冬」は、日本語のうどんの音訳。だから、直訳すると牛肉うどんです。
中国でもニチレイ(日冷)などの冷凍食品メーカーが進出しているため、スーパーに行くとちゃんとした肉うどんの冷凍食品が売られています。日本のうどん自体の入手も、内陸部は知りませんが沿岸部の町なら、それほど難しいことではないと思います。
なのに、なぜこうなるかというと、中国人の好み・発想としか考えられないです。写真を見ると、わたしの好きな、濰坊にだけある名物麺料理「和楽」(※注: 麺がうどんに似ている)のような盛り付けですから。
11.
味噌ラーメン(中国名:蔬菜味噌拉麺)
使う調味料に「味噌」のほか「豚骨高湯」とあります。
中国語名を直訳すると「野菜味噌ラーメン」となりますが、調味料からすると豚骨味噌ラーメンですね。
ちなみにわたしの母親は、なぜかラーメンのことをたいへんバカにしており、ラーメンの話をするときは、必ず「ラーメンやなんて、何十年と食べたことないんやけどな」と言ってから話し始めます。
けっして、普段ラーメンを食べないということはなくて、ふつうにインスタント・ラーメン食べてるのに。
中国の日本料理はこんなのばっかりか、というと全然そうではありません。
日本人の料理人がいる店も多いですし、うどんのところでも書きましたが、日本の食品メーカーもたくさん進出しているので、上海や深圳などの大都会なら、日本人でもまったく違和感のない日本料理に出会うことは難しいことではありません。
でも日本人が関わっていない店に間違って入ると日本料理という名の、日本風中華料理が出てきます。
もっとも、日本で食べられている中華料理も、十分に日本風にアレンジされてますのでどっちもどっちです。
異文化が受容される際には必ずローカライズされる。そういうことなのです。
※補足1: わたしが食べたもので、日本と全く同じだと思った中華料理は“酢豚”だけ。深圳(広東省)の酢豚はほんとに同じ。同じ料理でも中国と日本は味付けや具材が違うのが当たり前と思っていたのでびっくり。
カルフールがなぜ「家楽福」かという、関係者君のコメントに関する回答はまたそのうちに。
※注:↓濰坊でしか食べられない名物料理の和楽。おいしいよ。
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