『中級から学ぶ日本語』『上級で学ぶ日本語』を読む

今日からわたしも年末年始の休みに入った。

どうやら今年の濰坊は、例年より寒く、雪の日も多いらしい。
一昨日の夜も雪が降り、路面のあちこちが凍結している。

休みを故郷で過ごそうと、バスのチケットを買った中国人先生は、この雪のためにバスが運休するのではないかと心配していたが、どうなったのだろうか？

今日は、外を歩くと転びこそしなかったものの、何度も足を滑らせた。
反日デモが盛んな時に外を歩く以上に危険である。

雪が降るとバスが混む。
自転車（９割近くの人が電動自転車）で移動している人が自転車をやめて、バスに乗るからである。
上野のアメ横って、歳末になるとすごい人出だったなぁ・・・などと、なぜか東京の光景を思い出したりしながら、濰坊の町を歩いていたが、この町に歳末らしさを感じさせるものは何もない。

なじみの定食屋に行ったら、店のお姉さんに「新年、你回家吗？（新年は家に帰るの？）」と聞かれた。

「不。不回家（ううん、帰らない）」

寒いので年末年始の休みは、遠出をする気になれないし、そろそろ帰国の準備もしないといけないし・・・。

だらだらと、パソコンの前でキーボードを打っている間にも時間は過ぎていき、２０１２年も残りはあと１日。

時差の関係で、中国の新年は日本より１時間遅れてやってくる。

クリスマスも終わった。日本なら年末という事でいろいろとバタバタ忙しい時期である。
中国も年末は忙しいのかというと、中国人にとっての本当の新年は春節なので、こっちは年末という雰囲気はゼロである。

クリスマスの時期はこちら中国でも、スーパーなどでは、クリスマスソングを流し、店員がサンタクロースのコスチュームを着ていたりする。
キリストの降誕を祝うなどという宗教色抜きで、店の売り上げアップを狙う期間というのは日本と同じである。
寒くて楽しみの少ない冬の一時期を、クリスマスに乗じて楽しく過ごそうということもあろう。

教室に入ったら、「先生にプレゼントです。MERRY CHRISTMAS」というメッセージと共に、防寒用の耳あてとマスクが教卓の上に置かれていた。





中国にもサンタクロースがいた。

女性ばかり７人のサンタクロース。
ハンサムはモテる。

私の好きな、クリスマス・ソングＢＥＳＴ３は、１０代のころから
　１位　ジョン・レノン&オノ・ヨーコ 　『ハッピー・クリスマス（戦争は終わった）』


　２位　サイモン＆ガーファンクル 　『７時のニュース／きよしこの夜』
　３位　空位（決定できず）
である。

ここ濰坊（ウェイファン）では、クリスマスの期間、ジョン＆ヨーコも、サイモン＆ガーファンクルも、山下達郎の『クリスマス・イヴ』（※注）も聞くことはなかった。
中国は洋楽に弱い。


来年の春節は２月９日から１５日まで。この間に、私の契約と中国在留期限が切れる。

会社の業績が悪く、来年も改善の見込みが立たない。
そういうことで、来年の契約更新はないと今日知らされた。
もう一人の日本人講師であり日本語研修部・部長のＹ先生も来年の契約更新はない。

ということで、私はあと１ヶ月と２週間くらいで帰国することになる。
その頃には、日本語を覚えたばかりのサンタクロースたちも日本へ行っているのだが、実習先は秋田県、長野県、熊本県だから会うことはない。


※注 ： ＪＲ東海のＣＭ“Xmas Express”へリンクしている。こんなオッサンが見ても胸がキュンとする。

人類は１２月２１日を過ぎても絶滅しなかったし、かろうじてパンダも絶滅には至っていない。 パンダは絶滅危惧種である。

濰坊でもパンダを見ることができる。

実習生たちに、本物のパンダを見たことがあるか？　と質問をすると本物を見たという実習生はほとんどいない。
本物のパンダを見たという人の割合は、中国人より日本人の方が絶対に高い。







パンダを見るといつも、実在する動物というより、何かが着ぐるみを着て動いているのではないかと思ってしまう。
そのぐらい、嘘っぽいぐらいに姿もしぐさも可愛い。
パンダの中国語は熊猫（xióngmāo、シュンマオ）。でも、この姿は絶対猫じゃないだろう。

で、そのパンダのいる濰坊の金宝楽園であるが、入場料５０元、金返せ、桂小枝探偵を派遣するぞクラスのパラダイス（楽園）であった。
広大な敷地に、確認できた観光客は私以外に計９人。
アミューズメント施設、レストランはすべて閉鎖されており、どこまでも寒い光景が広がっていた。（↓写真）




“国家AAAA 级旅游景区”なのであるが、そのメンツはどこにもない。
もっとも、今日は最高気温マイナス５度。 最低ではなく最高気温がマイナス５度である。
この冬一番の冷え込みではないかと思う。風もある。
パンダを見ている時も頭の中は、正確な数字で表現すれば「寒い」が６２.５％、「可愛い」が３７.５％だったのである。

来た時期が悪かった。

春から秋にかけてなら５０元払った分は楽しめるのかもしれない。


↑金宝楽園、宣伝用の写真

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

今日は人類が滅亡する日なので、こんなブログ読んでる場合じゃないじゃないと思うのですが、それでも死ぬ前にこのブログをチェックしてくれるなんて、とても有り難いことです。

わたしも、こんなブログ書いている場合じゃないです。
死ぬ前に、一度は吉野家の牛丼“特盛”というものを一度は食べてみたかったです。


アホはこのくらいにして、今回は朝起きていたら雪が積もっていたという話題である。


歩きにくいことこの上ない。
油断していたら、しっかりと滑ってコケた。
年のせいで足腰が弱ったせいではなく、これは誰も防ぐことのできない不可抗力であると信じたい。

マイナス１０度など当たり前の濰坊(ウェイファン）の冬である。
さすがに、インナー（内衣）がすごい。まるでジャージの上下である。いや、ジャージそのものと言ってしまった方がいい。


老いも若きも、男も女も肌着の上にこんなジャージの上下のようなインナーを着る。

長袖のシャツなんて本当にカッコ悪いと思っていた。今も思っている。
日本ならこんなもの着ていることがばれたら、完全にコケにされる。

女性なら「ババシャツ」という言葉がある。
シャツ以上に「あなたの方がババです」と言ってやりたくなるような人でも、「わたし、ババシャツ着てるねん」などと自嘲して言っている。
いや、別に母親の事を言っているわけではない。

わたしも買った。着た。完全にじじくさい。ダサい。男を捨てたのか？
完全に何かに敗北したような気分になる。

そんなインナーを内側に着込み外に出る。
すると、これがもう、暖かくて・・・。

教訓。寒さに勝つには、男は男を、女は女を捨てればよい。


インナーと言えば、中国のパンツ（※注）のパッケージがおかしい。
どれも、筋肉隆々の男が体のラインにぴったりのパンツをはいてポーズを決めているのである。（↓写真は一例）


なんだかとても「兄貴ぃ」な感じなのである。

※注： 中国のパンツって、男物でも前にスリット（穴）がない。最初不便だったけど、不思議と慣れる。直接関係ないけど「日中男性の性的まなざしの現在のあり方」という論文がまじめに面白い。何の文章かと思ったら卒業論文だった。

　　　　
↑ 金正男 VS アラブの戦士に扮したわたしの 怪しい男対決。怪しさではタメを張っているが、髪の毛の量が全然違う。勝ったな。

今日は、何の日かというと・・・

今天（12月13日）是侵华日军南京大屠杀30万同胞遇难75周年纪念日。江苏省暨南京市各界人士正在举行仪式悼念遇难同胞。

南京事件７５周年である。というわけで、ニュースではその式典の様子などが流されている。

そんな日であるにもかかわらず、今日もわたしは親日的な実習生に囲まれ、そつなく授業をこなし、「先生の授業はたいへん面白いです」との声もありで、中国全土を覆う逆風をものともせずに日中の友好と日本人の好感度アップに微力ながらも貢献した一日であった。

しかし、１２課で習う形容詞の過去形「〜かったです」は、習ってから時間がたつとしっかりと忘れて、ほとんどの実習生が「面白いでした」「古いでした」のように「〜でした」になるんだよね。


中国へ来る前、大きな疑問だったことの一つ。

北朝鮮という国の情報は中国ではどのくらい入手できるのか？　なんと言っても中国は北朝鮮の最大の支持国・友好国である。

結論：日本と同じ。わたし個人の感覚では全く同じといってもいいくらい。

というわけで、ここ中国でも謎の国「北朝鮮」であった。
東アジアには空虚な帝国がある。

韓国は存在感のある国だ。
山東省の地方都市・濰坊でも「韓国」「韓式」の文字はよく見かける。会社の近くには韓国の物産店もある。
私もよく「韓国人？」と言われるし・・・。
しかし、北朝鮮という国は無いも同然。
隣国なのに影の薄いことといったらありゃしないのである。

もっとも国境を接している吉林省・遼寧省あたりだと、多少事情は変わるのかもしれない。


人工衛星だかミサイルだかの報道も、たぶん日本で報道されているような内容と同じである。
もっとも共産党の中央幹部はいろいろ情報を入手しているのだろうが、そこから外には決して漏れない。


金正男は、いつまでも遊んでないで本気で国のために立ち上がらないかな？

そんな男じゃないか。

天気予報では、今日５日（水）の最高気温は２度、最低気温は−７度である。
濰坊は風が吹くから、よけい寒く感じる。
学校も実習生の数が少ないので、授業も活気に乏しくてヒートアップすることなく寒いのである。


日曜日、朝起きてテレビをつけると、ドラマをやっていた。
悪い、かどうか良く分からないが、おそらく悪い日本軍が出ていて・・・


中国人を・・・・・・

撃った。


朝からこういうの止めないかな。
寒さが緩んでいい天気なのに、外出しづらいではないか。

テレビを見ていると日中戦争（中国では抗日戦争）を舞台にしたドラマが本当に多い。

アントニオ猪木VSタイガー・ジェット・シン、阪神タイガースVS読売ジャイアンツ（※注１）みたいなもので、悪者として日本はわかりやすいのだろう。
それに、抗日戦争は国共合作であり、中国人民が一体となって日本の帝国主義と闘い、最終的に日本帝国主義勢力を中国から追放した（※注２）わけだから、輝かしい勝利の闘いである。

愛国心を高める政治的意図があるかどうかはともかく、アメリカにおけるベトナム戦争同様に、抗日戦争の時代を舞台にすればドラマをつくりやすいのだということぐらいは、わたしにだって理解できる。
でも、そろそろ止めてくれないか。
外出しずらいんだから。

釣魚島（尖閣諸島）グッズ関連商品をコレクションしているわけではないが、つい買ってしまった。




近所の店で１７元だった。
灰皿なのである。



店内では、相変わらず全然ダメダメなカタコト中国語でのやりとりだっただけど、店員は、まさか日本人が買っているとは想像もしなかっただろうな。

のほほんと、共産趣味なお買い物。


濰坊の人にとって日本人はどうなんだろう。

初めての店に行く。「你是哪里（国）的人？（どこの人？）」と聞かれて「日本人」と答えると、店員が「この人、日本人なんだ」と他の客に教えているということが何度かあった。

私だけ？　とも思ったがＹ先生に聞くとＹ先生も体験している。
「言わんでもええちゅうねん」

動いている日本人をリアルで見たことがないので珍しいようだ。
こういう場合は、私が日本代表である。
私の印象が、1億３０００万の全日本人の印象になってしまう可能性が十分にある。
だから、礼儀正しい日本人、フレンドリーなジェントルマンをしっかり演じなくてはいけない。
「fuck！」だの「shit！」だのという言葉を口にしたり、油断して、鼻くそをほじったり、おならをしたりしてはいけないのである。

最近、学校の近くのレストランの警備員が私の顔を見ると「サヨナラ」と挨拶してくる。学校に向かっている時も、学校からの帰りも「サヨナラ」である。
こっちも「ニーハオ」だの「さよなら」と挨拶をかえす。
こないだは「老師好！」と返事を返してきた。老師（先生）だということも知られていた。
実習生の寮が近くにあり、ここまで実習生と一緒に歩くことも多いから、「サヨナラ」の日本語は自然とおぼえたのだろう。


政治がどうであれ、テレビドラマがどうであれ、今のところここで出会った人に反日はいない。


※注１ ： 注釈をつけるまでもないと思うが、読売ジャイアンツが悪である
※注２ ： 戦争でアメリカに負けたとわかっているが、いろいろ議論はあるようだが中国に負けたとわかっている日本人は少ないのではないか。ポツダム宣言はアメリカ・イギリス・中国の名で出されたものである。