2014.01.31 Friday
方言、大放言 〜 日本の方言、中国の方言
痛みが少しずつ和らいでいるとはいえ、連続歩行は3分くらいで限界がくる。
3分しか痛みと戦えない。ウルトラマンと同じである。
これからわたしを「ウルトラマン」と呼んでいい。
こんな状態なので、相変わらず家から出ない。家で中国語を勉強したり、本を読んだり、パソコンをいじっている。
昨日はパソコンがランタイムエラーを頻発するので修理にひどく手こずった。システムの復元をしてみたりレジストリーの大掃除をしてみたりいろいろ手を尽くすが、事態はますます悪化し泥沼にはまる。
原因はi-Tunesだった。i-TunesをはじめAPPLE関係のソフトをすべてアンインストールしたら直った。
その後i-Tunesを改めてダウンロードして、インストールし直して一件落着。
『ヘイトスピーチとは何か』(師岡康子著・岩波新書)を読む。
文章に“芸”がないので、商業ベースに乗った本を読んでいるというより、教科書や論文を読んでいるようである。
それでも、当初はわたし、ヘイトスピーチの法的規制には疑問を持っていたのだが、読み進めていくうちにヘイトスピーチは法的に規制するべきだと思うようになったのは、欧米でのヘイトスピーチ規制の現状を十分に調査し明らかにしているからだ。
実に味わいのない文章だが、欧米の現状をたんたんと積み上げて、じわじわヘイトスピーチを放置する日本は遅れていると洗脳、じゃなくて認知させるという仕組みである。
リンク先のAMAZON、だいちゃんという人のレビューがえらく面白い。この人の全15件のレビュー、全部読んじゃったじゃないか。
師岡康子さんと違って“芸”のある文章なのだが、「私は大学で教える教員です」と始まり、「デタラメなマルクス闘争史観に基づいた誤った正義感から書かれた有害な本である」と斬る一発芸しか持っていない。どの本もこの一発芸で勝負する。
一緒にしたら悪いが、田嶋陽子が何かにつけ頻発する“男社会がいけないんだよ”みたいなものか。
創価学会まで共産主義に分類するくらい素面(しらふ)で完全にイッちゃってる。
昔買った本を取り出して読んでみたりもする。
『関西主要私大の現代文』(渡邊隆毅 教学社・絶版)を読む。問題を解くのではない。取り上げられた文章、つまり問題文を読む。
入試に取り上げられる文章は、入試に取り上げられるだけにそのほとんどは内容的に良質である。
ところが、立命館大学で出題された文章に驚く。
「方言はたとえ尊重されるようになってもあくまでも内輪の言葉である」。ここは問題ない。問題は次である。
「それは、機能上、劣等感とは本来的に無縁であっても、羞恥心を伴うのが自然であろう」
最後の段落は、次のような文章で締めくくられている。
「方言は、家庭でくつろぐ時のふだん着か下着姿である。いかに立派な肉体の持ち主でも、他人に下着姿や裸を見せたくない気持ちはある。これは劣等感とは次元の異なった、羞恥心ないしプライバシーの問題である」
誰が書いた文章なのか出典が書いてないのでわからないが、この本の出版は1991年 第1刷発行となっている。
20年前は方言に対してこのような“方言は羞恥心を伴うものだ”という意見が違和感なく受け入れられていたというに、ホンマ、びっくりやで。
こういう感覚が異質な人間に対する差別を生む。
さて、56もの民族が住む中国は方言だらけで、普通話が苦手な人もいれば、普通話を全く話すことのできない少数民族の人もいる。
中国語が堪能なはずの弟であるが、北京から上海に赴任した時「全然言葉がわからへん。みんな上海語やねん」と言っていた。
広東語が単語のみならず文法も普通語と違うのに、広東語も含めて中国人の話す言葉は全部一つの中国語であるとされている。
日本だって沖縄の言葉(ウチナーグチ)は、明らかに琉球王国の言葉、つまり日本語とは別の言語(※注)のはずだがこれも方言、つまり日本語のバリエーションとされている。
この国の単一民族神話を維持するためには、国内に異言語を話す異国を抱えているということを白日の下にさらすのはまずいということだろう。
何を自国語とし何を外国語とするかは、言語学の問題ではなく政治の問題なのである。
深圳は広東省でありながら、改革開放政策で経済特区に指定されたのをきっかけに中国各地から人が集まってできた町なので広東語ではなく普通語が話されている特殊な地区である。
中国人G先生は以前、深圳の隣、中山市で働いていた。
「みんな広東語だから全然話が分からなかったです」
「でも、みんな普通語も話すことができるでしょ」
「普通語も訛りがひどいので、とても分かりにくいです」
中国人と日本人は顔が似ているが、濰坊は田舎だから、中国語が話せないと外国人だと見破る。
しかし香港に隣接する深圳では、普通話を理解しない中国人、つまり香港人だと思われることがある。
「你、香港人吗?(ニー、シャンガンレン・マ?)」
もちろん、日本人だと答えるのだけど、ときどき、「是啊(シーア=そうだ)」と答えて、香港人になってみようかなと思うことがある。
反日デモが盛んなとき、「日本人か?」と聞かれたら「我是韓国人(ウォ・シー・ハングゥオレン)」と答えてトラブルを避けるという知恵があったけど、「我是香港人」という手も、「○×我△是▽◎×」とでたらめな中国語を発して少数民族の中国人のふりをするという手もありだな。
※注:ユネスコでは、沖縄語は日本語とは別の言語と分類し、消滅の危険にさらされていると報告している。
<第2部 中国語の勉強に続く>
※読んでも面白くないよ
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