2013.02.08 Friday
人民解放軍は、きっと・・・弱い 〜 ゆるゆる中国
射撃用レーダー照射はなかった(中国国防省)。
たぶん、「軍の、あるいは党の、あるいは国家の意思として」という言葉が頭に抜けている。
軍の、あるいは党の、あるいは国家の意思としての射撃用レーダー照射はなかった、というのがきっと正しいと思う。
「日本の護衛艦は何処にいるのだ? えーとレーダー、レーダー」
「おい、その捜索用レーダーどうも調子悪いぞ」
「あっ、そうなの。じゃこっち(射撃用)で調べてみよっ」
「おっ、頭いい。俺、前にそうしようとしたら、上官に止めろと言われたことあるから、射撃用のレーダー使うなんて気付かなかったよ」
「位置調べるだけなんだから、どっちでも同じだよ。なんで射撃用使っちゃいけないんだ?」
「你说的很有道理(君の言うとおりだ)」
かくして、射撃用レーダーが照射された。
たぶん、現場はこんな感じだったろうから、射撃用レーダー照射はなかったということにしなければ、メンツが立たないだろう。
こんなの国際社会に説明できない。
↑ 金宝楽園内にある青少年国防教育基地(以下同)。記事中の軍事訓練と関係はない
中国では何か手続きをする際、担当者によって言うことが違うという話はよく聞く。
当然共有すべきであろう一つのルールを共有することが難しいのだ。
「軍人なら、軍なら○○である」といった日本人の考え方や常識を中国にあてはめて物事を分析してはいけない。軍でもそうだろう。
違う国なんだから。
カップラーメンを食べた後、ゴミ箱に捨てる前にみんなどうする? 残ったスープは流しに捨ててから、ゴミ箱に入れるのではないか?
中国の人はスープの入ったままゴミ箱に入れる。
鼻をかむ、書き損じたなどでゴミができる。
目の前に、まさに目の前にゴミ箱がある。ゴミをどこに捨てる?
中国の人は床に捨てる。
日本人には想像すらできないことが、中国で暮らすと日常茶飯である。
以上2つの例は、中国の人全員がそうするというわけではないが、何度も目撃している。
ウチの学校は、実習生が入校するとすぐ軍事訓練(日本企業向けには「集団訓練」とよんでいる)を4日間だったか5日間だったか忘れたが実施する。
みな軍服を着せられ、とりあえず凛々しい。
そして、現役あるいは元人民解放軍兵士がコーチとなって、実習生たちをビシバシと鍛え上げる。 と、言いたいがユルユルと鍛える。
日本の教育は、体育の授業のみならず様々な場面で集団行動のトレーニングをする。
こういうのは富国強兵政策のもとで、日本人に国家意識を植え付けるべく、近代的軍隊を作り上げるべく、強力な軍事国家をつくりあげるべく、明治以降の教育の中で強力に推進されたのである。
それまで、日本人はみんなでそろって行進するだの、合唱するだのといったことはなかった。
一方、中国の人って集団で一つの規律をもった行動をするというトレーニングはほとんど受けていないようだ。
行進、整列はばらばら。そろわない。
そもそも、行進、整列、体操をしたことがないのではないか。
そろわないではなく、できないというほうが正確。
日本人なら誰でも、歩幅をそろえた行進・整列・ラジオ体操ができる。
わたし、一年ぶりに日本に戻って、地下鉄の改札からホームの乗車位置まで、人の動きにみごとにきれいな一つの流れ(秩序)が自然とできていることに改めて驚嘆した。
ラッシュアワーなのに。地面に線が引かれているわけではないのに。
日本人はやっぱりロボットだ。
さて、実習生は公園にあるトレーニング器械を使っての筋肉トレーニングなんか、順番待ちの間は適当に休憩したり、おしゃべりしたり、他の器械で遊んだりの自由放任状態。
しまらないことおびただしい。
そこをコーチの誇り高き人民解放軍兵士が、ビシバシ、ガンガン・・・とはいかず自由放任状態を、自由放任のまま大らかにやっている。
きちんとしたトレーニング・プログラムも到達目標もないので、すべてがルーズに場当たり的に進行していく。
コーチの号令ひとつで、全体がビシ、ビシと動くという場面は・・・ない。
絶対に、日本の運動会の練習のほうが、日本の体育の先生のほうが厳しい。
でも、軍事訓練終了後の感想文を読むと、みな「厳しかった」「苦しかった」「みんなは心を一つにして頑張った」と書いている。
心を一つにしても行動がばらばら。
心を一つにすると一億一心火の玉となって、狂気の世界へ突き進んでしまう日本人より罪がないという気もする。
わたし、こんな中国の人が好きだ。
中国を擁護しようものなら「非国民」「売国奴」の声一色になり、まっとうな論議すら封じ込めようとする日本のインターネット空間は異常であろう。
反日デモが吹き荒れた昨年の秋、中国のインターネット上では賛否両論、様々な論議がたたかわされていたのだ。
さて、人民解放軍について考えてみるに、
1) 集団行動や規律ある行動はきっと苦手。
2) 中国の軍艦は捜索レーダーなどの計器や武器類等の日ごろのメンテナンスは、きっと不十分。
3) 上から下への指揮命令系統はあるけど上からの10の指示が、下に伝わるころには3の指示になっている。伝言ゲーム状態で、7つほど漏れて、残った3もきっと不正確。
4) いちばん恐いのは敵の兵士ではなくきっと嫁さん(※注)。
人民解放軍は、きっと・・・弱い。
※注: 中国人男性は一般に恐妻家である。上海の女性は特に恐いらしい。
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Comments
何時も、貴殿のBLG、楽しく読ませてもらってます。
日本のマスコミ報道では、報道されることのない中国人の
伝統!的思考回路による行動パターンが理解できました。
観光で、上海位しか中国を旅していないが、貴殿の現場からの
観察力におそれいりました。
これからも、生の中国の裏の事情を呟いてくれると有難いデス。
季節がら健康には十分、留意ください。
今年の檜山は、期待できますかね。
Comments
虎ファンからのコメント嬉しいです。ありがとうございます。
檜山も長いですよねぇ。
でも、わたし「代打、檜山」というのを聞くと、おー何かが起きるのではとがぜん盛り上がります。
兄貴が去った後、この人が今年もバッターボックスに立つというだけで嬉しいです。
さて、その時中国の軍艦内でどのような指揮命令、現場の判断がなされていたのか、専門家の分析をテレビのニュースで聞いたりしてますが、やはりわたしのでっちあげ推測とあまり変わらないことやってたように言ってますね。
そもそも人民解放軍は国軍ではなく共産党の軍であり、中国政府と一体となって動いているわけじゃないので中国政府を追及しても、真実はうやむやになてしまい、まともな回答が得られないのは仕方ないかと思いますよん。
こういう軍隊は、指揮命令がぐちゃぐちゃで内部統制が適当だから恐くないんだか、指揮命令がぐちゃぐちゃなため現場が暴走するので恐いんだか、わたしよくわからない。
でもやっぱり嫁さんは恐いよな。
わたしも離婚されたし・・・。
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