2015.04.03 Friday
【架空漫才】反日教育 ~ パロディーという修辞学
はしもと君は、常々「奴らは中国は反日教育しているって言うけど、反日教育の存在を示す根拠あるのか」と思っていた。
「奴ら」のリーダー格であるさくらい君も、はしもと君に言いたいことがあった。
そんなわけで二人は対談することになった。
そして、ある日の大阪。
二人の対談が始まった。でも、もともとまともに話をする気はない二人。対談は、笑えないどつき漫才みたいになってしまった。
(以下の対談はフィクションであり登場人物などはすべて架空のものです)
【架空漫才】中国に反日教育はあるか?
はしもと君 VS さくらい君 at 大阪
さくらい: まずね、いろいろと言いたいこともあるんですけど、反日教育についてお伺いできます?
はしもと: いや、僕の意見を聞くんじゃなくて……
さくらい: あんたが言い出したことだろ。
はしもと:「あんた」じゃねーだろ。
さくらい:「お前」でいいのか? じゃあ。
はしもと: ……。
さくらい: あのね、まずあなたが反日教育うんぬんって言い出したからでしょ。
はしもと: 大阪でな。大阪で、もうそういう発言を止めろって言ってるんだ。
さくらい: どういう発言かって聞いてるんだよ!
はしもと: 仮説と事実をあいまいにしてな、中国に対する悪感情をあおるようなそういう発言は止めろって言ってるんだ。
さくらい: 中国人を批判するってことがいけないって言ってるわけ?
はしもと: お前な……(笑)。
さくらい: お前って言うなよ!
はしもと: うるせえお前。お前だよ。
さくらい: ちょっと待てよ! なんだよそれは!
はしもと: なんだよお前。
はしもと: なんだお前。
さくらい: お前それでも男かよ!
はしもと: 座れ。
さくらい: 帰れさっさと!
はしもと: お前が帰れ。
さくらい: お前が呼んだんだろ! だから外でやれって言ったろ!
はしもと: 帰れ帰れ。終わり。
さくらい: 言い逃げかい。はいさようなら、弱虫のはしもとくん。
以上。架空対談終わり。
次は、架空じゃなくて本物。
わたしと、ある回答者さんがYahoo質問箱で繰り広げた、中国に反日教育はあるか論争。
かみ合わない論点と、「潜在意識レベルに刷り込み」みたいなオカルトまがいの非科学、争点をずらしながら矛盾に矛盾を重ねる回答者さんの粗雑な論理展開をお楽しみください。
大変に長いので、興味のある人だけどうぞ。
なお、質問を一部修正した。わたしと回答者さんのやりとりは、名前を修正した、改行位置を一部修正した以外は一切手を加えていない。
【わたしの質問】
わたしは中国で日本語教師をしているものです。
『中国に絵葉書はない~from 常州』というブログを開設しております。
そこで、「反日教育は反中派の妄言と言わせてもらっていい?」というタイトルで、中国における“反日教育”の証拠を出せと、炎上覚悟(笑)で反中右翼を挑発しました。
しかし、わたしのブログの読者は日中友好を考える人ばかりのようで、3日たってもまったく反応がありません。
中国における〝反日教育”とやらのについて、具体的な根拠を示しながら教えてください。
また『狼牙山五壮士』についても教えてください。
インターネットで調べても中国語のサイトしか出てこないので、中国語の不自由なわたしはこまかいところまで理解できないのです。
回答者さん:
反日教育というと、どうも、学校で机を並べて云々というイメージがあるようで、そうなると、授業の一環なので、巧妙に隠されているのだと思います。
しかし、潜在意識レベルに刷り込みが行われているのはあると思います。
たとえば、南京事件そのものを中国ではなかった!と、教えていますでしょうか?そうじゃないですよね。本来は説でしか成り立たぬものですから、論争も絶えず、結局は、両論併記でやるのが限界だと思います。
少なくとも、日本が。。。を強調するだけで、反日になります。日本では原爆教育をかなりやりますが、アメリカが、と、いう部分ではトーンが弱められていると思います。原爆式典でも、人が人に対してやった核兵器、と、いうコンセプトなはずで、アメリカが日本に対して。。。の部分はかなり弱めですよね。
しかし、30万人が。。。と、いう話が日本が中国にやった真実として教えられていますし、しかも、かなりの時間を割いているはずです。事実かどうかわからないことを事実として教える。70年前のことですから、歴史に忠実であるなら、教えるべきものではありません。これはいかがなものか、とは思いませんか?
そのブログで南京事件の論争をやって下さい。なかったかもしれない。と、あなたが言った途端、多くの中国人たちは憤るのじゃありませんか?
一方で、こんな教育を中国がやっているのを聞いたことがありません。
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-4274.html
↑も歴史の真実なんですよね。
南京事件は誇大にしかも、でっちあげかもしれない。一方で中国人を助けた日本軍の話はやらない。日中友好なんて名ばかりです。 他にも、日本は戦後、中国に多大な援助をしたことを教科書ではやっているのでしょうかねー。具体的に。
これは、もう、反日教育でしょうね。もちろん、日本の教科書でさえ、反日的なものもありますけどね。
ただ、問題になるのは、そういう学校でだけの云々の話ではないと思います。
たとえば、抗日○○記念式典や抗日記念館のようなものが、たくさん中国にはあるのじゃありませんか?それを中国人たちは反日とは呼ばないだけで、実は、こういう社会の催しものが反日を要請するものとして背景にあるのじゃないでしょうか?
わたし:
ご意見ありがとうございます。
わたしはブログ上で、「憶測だけで中国は反日教育をしていると言うな。具体的な証拠をあげよ」と主張しました。
残念ながら回答者さんの回答も「…と思います」「…はずです」「…じゃありませんか」と、「事実かどうかわからないことを事実として」話すという域を出ないものです。
たしかに日本では、原爆の話などは「アメリカが日本に対して」は極力表に出しません。このあたりはわたしも中国は未熟だと思うのですよ。南京に関しては、論争はしませんがいずれブログに書きます。
なおリンク先は中国の規制にあってしまいました。接続できません。
「日中友好なんて名ばかり」ですか? きわめて親日的で日中友好を本気で望んだ周恩来や胡耀邦という政治家もいましたよ。
そろそろ字数制限です。またご意見ください。
解答者さん:
>話すという域を出ないものです。
そうでしょうか?すでに、中国政府がそうやって、記念館を作ってますよ。
http://matome.naver.jp/odai/2141121809780484901
>きわめて親日的で日中友好を本気で望んだ周恩来や胡耀邦という政治家もいましたよ
人の頭の中など分かりません。友好は結果を見て判断するしかないのですよ。
わたし:
返信ありがとうございます。
南京大虐殺記念館はわたし行ってきました。これについてはそのうちブログに書きます。
周恩来や胡耀邦という人がどういうことをした人かご存じないようで、「人の頭の中など分かりません」などと、ちょっと非論理的で乱暴な論調になってきましたね。
周恩来は日中国交正常化を実現した人。日本に留学経験があります。田中角栄も信頼を寄せました。「日本に賠償を求めない」「日本の人民も、中国人民と同じく、日本の軍国主義者の犠牲者である」との発言は有名です。
周恩来の時代は日本と中国は大変友好的な関係が続きました。
胡耀邦はあのごりごりの反共主義者である中曽根康弘が「友人」と公言した人。中曽根康弘が靖国参拝を取りやめたのは、親日派の胡耀邦の立場が共産党内で危うくなるのを恐れたからです。
以上、結果を見て判断しているのですが、何か?
ところで、回答者さんは中国関係の質問にたくさん回答されてますね。
教育を含め中国事情にかなり詳しいようなので、『狼牙山五壮士』についても教えてくださいよ。
中国人はみんな知っている話のようですが、わたしは知らないのですよ。
それとも、わたしの質問を読んで初めて知ったとか?
回答者さん:
>以上、結果を見て判断しているのですが、何か?
白猫であれ黒猫であれ、ねずみを捕るのが良い猫である。
政治家は、黒い猫にも白い猫にもなるでしょう。頭の中なんて本当のことはわかりません。政治家は国家第一で表面的には親日にも反日にもなるんですよ。個人的に日本が大好き!って話で、周首相が政治活動やってたなんてありえない話でしょう。
当時、周首相は、自己の主張する路線が中国にとって利益があると考えたに過ぎないと思います。田中首相が中国と、日中国交正常化をしたのは、資源外交として選択枝を拡大したかったからです。 中国にも当時、資本と技術、そして、ソ連に対応が必要であるとしていたのを周首相は理解していただけの話でしょう。
わたし:
返信ありがとうございます。
おお、一致点が見つかりましたね。
「白猫であれ・・・(中略)・・・ありえない話でしょう。」の部分は、「その通りですね」と同意します。
「資源外交として選択枝を拡大したかった」という部分がわたしにはよくわからないのですが、「当時周首相…」以下も、まあ同意できる話です。
というわけで、「頭の中はわからない」から「友好は結果を見て判断するしかない」。
であるなら、周恩来が友好的・親日的であったかどうかは、日中国交正常化を実現したという「結果」だけから判断するしかない。
1972年に周恩来が国交正常化を実現したのは歴史の事実である。
したがって、周恩来は友好的・親日的であった。
こう結論づけていいですね?
ところで、まことに勝手ですが、わたしから回答者さんへの返信はこれにて終了させていただきます。
回答者さんが、2014/8/31にこの知恵袋で、
「反日は、国に対してのものであり、人に対してのものではない。本当ですか? 反日とは、日本人殺せ、でしょ。」
という質問をされているのを見つけたからです。
・「反日」とは何かということを理解していない人
・「反日」という言葉の定義がしっかりできていない人
・「反日」とは何かということを理解してまだ日が浅い人
に反日のことを質問しても意味がないからです。
中国の教育事情や、『狼牙山五壮士』についてもご存じないようですし、今後もわたしの求める回答が返って来ると思えません。
ここまでわたしの質問に付き合っていただき、ありがとうございました。
回答者さん:
>というわけで、「頭の中はわからない」から「友好は結果を見て判断するしかない」。
判断もできません。常に、疑心暗鬼の元、バックアップの政策を用意する必要があると思います。
>反日は、国に対してのものであり、人に対してのものではない。
はい、特定の個人に対するものではないと思います。
>今後もわたしの求める回答が返って来ると思えません。
そうですか。では、最後に、あなたは、日本と中国が対等でない、と、いう先入観があるような気がしてなりません。
その理解ですと、中国人の言うことはもっともだ!になりがちなんですよね。
〈fin〉
以上、終わり。ご意見・ご感想をお待ちして・・・いや別にどうでもいいよ。


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