2015.02.23 Monday
術語集 ~ 気になる社会主義核心的価値観 (2)
えー、それでは気になる社会主義核心的価値観の12の言葉について、皆さんと一緒に学習を始めたいと思います。
↑ 深圳・荔枝公園の入り口にある鄧小平の大看板。「堅持党的基本路線一百年不動揺」なんてかいてある。深圳に住んでいたせいもあるのだろうけど、今の改革開放の中国には毛沢東より圧倒的に鄧小平のほうが良く似合うと思う
なお12の言葉はここで一気に学習しようと思ったのですが、紙面、その他の都合、まあぶっちゃけ一気に12の言葉の解説をするのはしんどいという理由で3回に分けてやろうと思いますのでよろしくお願いいたします。
1回目の今日は、国家に関わる項目:「富強」「民主」「文明」「和諧」についてです。
なお中国語の意味はすべてgoo辞書からの引用です。
■ 富 強(ふきょう)
富强(fùqiáng) [形] (国家が)豊かで強大な。
【解題】これは分かりやすいですね。中国が目指している国の在り方そのまんま。そのまんま東です。なお中国語の「強」は日本の字と少し違います。中国の漢字では「虫」の上が「ム」ではなく「口」になります。
■ 民 主(みんしゅ)
民主(mínzhǔ)[名] 民主,デモクラシー [形]民主的な
【解題】速攻で「中国のどこに民主主義があるんだぁ!」という声が聞こえてきそうです。
「民主集中制(democratic centralism)」という言葉をご存じないのではないかと思います。中国共産党の組織原則です。民主集中制という名の民主主義(プロレタリア・デモクラシー)が中国にはあるのです。
民衆集中制の考え方を簡単に説明すると、「下部組織の選挙により指導組織をつくる→指導組織は民主的な議論によって意思決定をする→民主的に選出された指導組織が民主的に決定したことには絶対服従」といったところでしょうか。
ちなみに日本共産党も民主集中制の党です。
実は正直に告白すると、民主集中制(あるいは意味の似たような言葉でプロレタリア独裁)は学生のころからわたしの頭を悩ませている言葉で、どうしてこれが民主的なのか、私の頭では全然わからないのであります。未だにわからないということはよっぽど私の頭が固い、頭が悪いということなのでしょう。(※注)
民主主義とは決して普遍的な概念ではなく、マルクス・レーニン主義と非マルクス・レーニン主義の立場ではその考え方が全く違うのです。中国の特色ある社会主義の道にも「社会主義民主政治」という言葉が明記されています(前々回の記事『術語集 ~ 気になる社会主義核心的価値観 (1)』を参照のこと)。だから、日本には日本の民主主義があるように、中国には中国の民主主義があると理解しておけばいいのだと、わたしは無理やりですが思うのです。
日本のように欧米流の民主主義の中で暮らしている日本人が中国の民主主義を理解できないのは、男にとって「女心」が永遠の謎であることと似ているかもしれません。
■ 文 明(ぶんめい)
文明(wénmíng)[名]文明,文化 ━ [形](1) 文明の開けた,高度な文化を持つ【反】野蛮 (2) ハイカラな,モダンな
【解題】この「文明」という言葉は中国のあちらこちら、いたるところで見かけます。わたしの感覚では、上の辞書からの引用した意味以外にも「近代的」「西洋的」「マナー」「礼儀」「節度」などの意味をあてはめることもできると思います。「文明的な行動をしましょう」みたいな注意書きがあちこちに書いてあるのです。男子トイレの小便器の上にまで「向前一小歩、文明一大歩」などというステッカーが貼ってあるくらいです。
また、立小便をする、店で注文した料理を大量に食べ残す、ATMや駅の窓口の前ででちゃんと並ばないといったことも文明的な行動ではないのです。
かつての中国は「反革命だ」という言葉が相手の反省を促す決めゼリフ だったとすれば、今は「文明的でない」というのがその役割を果たしているのかもしれません。
■ 和 諧(わかい)
和谐(héxié)[形] 調和のとれた,よく息の合った,(【同】协调)
【解題】同義語の「协调」は日本の漢字で書くと「協調」です。まずはウィキペディアの「和諧社会」を読んでください。でもちょっとウィキペディアの解説は分かりにくいですね。平たく言えば「みんなが仲良く助け合う社会」ということです。
鄧小平さんは改革開放にあたって「先に富める者から富め(让一部分人先富起来)」と言いましたが、豊かになった者は貧しい人を助けよと釘をさすことも忘れませんでした。和諧社会です。
ところで、最近は検閲によりネット上から情報などを削除することや、サイトなどへのアクセスを遮断することもネットスラングで和諧というそうです。
中国人はみんな共産党に洗脳されている、なんて思っているネトウヨな人たちが、中国人のこういうユーモアある皮肉(異議申し立て)には目を向けないのはとても残念なことだと思います。
実はわたし、アンサイクロペディアの「和諧社会」の解説を読みたいのですが、みごとに「和諧」されちゃいました。以前はアンサイクロペディアは見られたんですけどね。
なるほど、これが「和諧」社会というものかと、妙な納得をしてしまいました。
〈次回へ続く〉
※注: 一党独裁に反対したマルクス主義者としてドイツ社会民主党のカウツキー(この記事のプロレタリア・デモクラシーとブルジョワ・デモクラシーの解説は簡潔でわかりやすい)がいる。カウツキーは「1918年には『プロレタリアートの独裁』でソヴィエト社会主義政権を一党独裁であると非難し、民主主義による社会主義の実現を主張した」(ウィキペディアから引用)


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Comments
メッセージ拝見しました。ご丁寧に有難うございます。ネット上で公開しているんですから、許可はいりませんよ。
いやいやいやいや、こちらのブログのほうが内容が濃いのでは?あ、内容が濃いという指摘ではなかったか。子どもが毎日家にいるので、新学期が始まったら、もっとちゃんとブログに取り組みたいと思います。そしてこちらのブログもちゃんと読んで、うちでもネタにさせていただきます。今後ともよろしくお願いします。
Comments
みどり様
さっそくのお返事ありがとうございます。
この場を借りてお礼申し上げます。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
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