2014.04.02 Wednesday
中国は世界の服の8割を生産する 〜 女工哀歌
4月1日。いや2日になってしまったが、これを書き始めたのは1日である。
世間では新入学だの、入社だの、転勤だの新たなスタートを切る人がたくさんいる日であるが、うーむ坐骨神経痛の症状は何時になったら通常の生活が送れるようになるのやら。
こんなに長くかかるんだったら、日本に帰ってきたときにさっさと手術してもらえばよかったかなと思うもAfter Festival(後の祭り)。
歩みは遅いが症状は快方に向かっているので、医者のほうも今さら手術はOKって言わないような気がする。
1か月くらい前に手術のことを尋ねたら、「予約の順で2か月くらい先になる」と言われた。要するに緊急性がない、手術が必要な重篤な症状が出ているわけではないと判断されているのである。
そう思うと安心半分、じゃあ何時になったらこの症状から解放されるのかと焦り半分。
今となってはこっちも今さら手術は・・・と思っているし。
そして4月1日は、エイプリルフール、中国語は「愚人節」。愚人とはなんとストレートなと思うが、日本語でも4月ばかともいう。
消費税が8%に上がった。わたし、今日はスーパーや店に行ってないので8%になっているのはまだ確認してない。
4月1日なんだから、日本政府、政治家、小売業界ぐるみの何か悪い冗談じゃないか?
そうも思ってみたが、どうやらこれは現実のようである。
なお、アベノミクスは中国語で「安倍経済学」という。
へんなカタカナ使うより、中国語の「安倍経済学」のほうが日本人にも分かりやすいじゃないか。
ほかにも「戦後レジュームからの脱却」とかもやめない?
求人広告で、よく「○○アドバイザー」と言う名称で求人かけているでしょ。ずばり「営業」と書けない理由があるので意味のあいまいなカタカナ語を使うらしい。
「戦後レジュームからの脱却」も、いっそずばり「改憲」といったほうが分かりやすいのだけど、ずばりそう言えない理由があるのだろう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「私たちが毎日つくるジーンズ、誰がはくんだろう?」
「世界の衣料品の8割を生産する国、中国」
「家計をささえるため農村から出稼ぎにくるまだ幼い少女たち」
「平均年齢15歳、1日18時間労働、時給7円以下」
「ウォルマートのような企業は品質しかチェックしない。工員の労働条件なんか興味ないんだ」
これらは、映画『女工哀歌(エレジー)』)(原題『China Blue』)(※注1)の予告編から拾った言葉。
疲れ切った女の子たちがジーンズの山の中で寝ちゃってるよ。
(c)2005 Teddy Bear Films
そして、居眠り防止にまぶたに洗濯バサミ。
(c)2005 Teddy Bear Films
中国の輸出産業は労働者の低賃金に支えられている。
平均年齢15歳というのは、つまり戸籍を改ざんたりして年齢を偽っての違法就労者が多数いるということ。
当然、彼女らを雇う経営側も年齢詐称(※注2)はわかって見て見ないふりをしているのだろう。
2005年製作の映画だから、若干は現状にそぐわないところがあるかもしれないが、中国の工場の根本はかわらないだろうと思う。
深圳では日系企業の縫製工場にも日本語の出張授業に行ったこと思い出した。
授業に行っただけだからそこでの労働条件は知らない。
中国領事館に置いてある、在日中国人のための新聞には、風俗産業の求人広告を多数目にする。
出張女孩。要するにデリバリーヘルスの女の子だろう。
漂亮女孩(初来日者大歓迎)。漂亮は「きれいな」という意味。女孩は「若い女の子」である。未経験者も、さらに初来日者大歓迎。それで月100万ー150万可能と破格の月収である。
こういうのは時に実習生たちにも誘惑の魔の手が伸び、失踪騒ぎを起こす。
一人あたりのGDPでまだまだ圧倒的な差のある日・米・欧と中国。
一方は安い労働力を求めて、一方は本国では到底得られぬ高収入を求める。
そこで、なんだか納得の行かない不都合がいろんなところでいろいろと行われる。
そして、それが世界と中国の自由主義経済という名の欲望経済を支えている。
「私たちが毎日つくるジーンズ、誰がはくんだろう?」
もちろん私の持っているジーンズはすべて MADE IN CHINA である。
※注1:日本での公開は2008年のようだ。わたしは予告編を見ただけで本編は見てない。次にレンタルする予定。早くみたいな。『女工哀歌』で検索すると映画の感想がずらずらと出てくる。先進国の繁栄は、途上国の犠牲の上に成り立っているというテーマはなんら新しいものではない。が、先進国・日本に住む限り一人ひとりが「加害者」的な立場と無縁では有り得ないので、当事者として何か一言言いたくなるみたいだ。
※注2:中国ってこういう履歴に関する書類は、どうもすぐ偽造できてしまうようだ。わたしもこの耳で、確か高校中退で卒業していない子だったと思うが、「じゃあ、(その子の)卒業証明書つくりましょうか」といった言葉を耳にしたことがあるし、「戸籍は○○歳だけど、実は・・・」という話も聞いた。
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