2015.11.30 Monday
なんちゅうか本中華なお隣の国と日本と民主主義
【小ネタのおまけ】
「夏になると花火大会があります。日本の花火はきれいです。みなさんも見に行ってください」と言ったら、シリア人のA君が言った。
「先生、シリアに来てください。シリアは毎日花火大会です」
もちろんシリアの花火の下には死体がごろごろしている。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
中国の学生?
もちろん、私の学校にもいますよ。
ほかにも台湾の学生はとても多いし、香港の学生も多いしマカオの学生だっている。
中国大陸と台湾の学生の扱い?
中国大陸の学生は、中国出身の中国人として扱っているし、台湾の学生は、台湾出身の台湾人として扱っている。中華人民共和国の台湾省の学生とは扱ってない。
香港、マカオの学生も彼らは中国人ではない。
それぞれ香港人、マカオ人として扱っている。
別に、何も問題はない。
政治的な話? しない。
Rock`n`rollは良いが、SEX, DRUG&政治は教室に持ち込むべきではない。
今日の『そこまで言って委員会NP』は中国特集だった。
中国政府、つまりは中国共産党なんだけど、ハーグの仲裁裁判の判決を受け入れるつもりは全然ないとはっきりと言う。
わたしだって、困った国だと思う。中国の国境の概念は、近代的な法のルールとはズレている。かつての中華圏の意識のままだと思う。
でも、今の世界で共有すべきと考えられているルールって何かというと、アメリカの秩序でしょ。
これもねぇ。とてもうさんくさい。
反アパルトヘイト活動家であったスティーヴ・ビコは「"民主主義"を表看板とするリベラリズムは、白人優越・西欧中心主義の変形である」と言っている。
リンク: Peter Gabriel - Biko (youtube)
イギリスのあのEU脱退決定のドタバタを見て、衆愚政治という言葉とか、ヒトラー政権は極めて民主的な手続きを踏んで誕生したということを思い起こしたのはわたしだけか?
アラブの春以降、これらの国に民主主義と平和が訪れたのか?
フセイン政権打倒以降、イラクに民主主義と平和が訪れたのか?
アメリカは、民主的にドナルド・トランプが大統領に選出されそうだぞ。
この人、どこまでがパフォーマンスで、実際口にしたことのうちのどれだけを実行に移そうと考えているのだろうか。
いずれにせよ、過激な発言を歓迎して受け入れる今のアメリカの空気は危険だと考えるのがまっとうな感覚でないか。
国際社会における習近平や李克強の振る舞いは、マルクス・レーニン主義だから、そもそもリベラリズムに価値を置いていないということだけでなく、昨今の民主主義の劣化を十分に見ぬいてのものだろう。
話は変わるけどアウン・サン・スー・チーに関して、わたしが「アウン・サン・スー・チーは日本でとても人気があります」と言ったら、ビルマ人のJ君は「日本だけじゃありません」と言った後で、「でも(ビルマの政治は)何も変わっていない」とがっかりしたように言った。
話を戻すと、歴史認識の問題も、中国人は偏向した歴史教育を受けているといった意見を聞くと何か違うなと思う。
歴史なんて時の権力者が都合のいいように作りあげた物語でしょ?
つまり、his storyがhistory。(※注:his storyがhistoryになったというのは民間語源であり事実ではない)
偏向してない歴史教育ってどこにあるの? と思う。
中国人や韓国人から見たら日本の歴史教育こそが偏向でしょ。
そうでなくとも、国内に目を向けても、新しい歴史教科書をつくる会から見たら、現行の日本の歴史教育は左翼偏向の自虐史観だと言いている。
偏向してない歴史教育ってどこにあるの?
中国の報道の問題だってそうだ。
中国は共産党によって操作された偏向報道しかない。日本は報道の自由があるって本当か?
国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)が発表した2016年の「報道の自由度ランキング」で日本は、対象の180カ国・地域のうち72位。台湾の51位、韓国の70位以下。台湾も韓国もついこの間まで長く強権的な独裁が続いていた国だよ。それ以下。
こんなに自由が制限された(と、他国は見ている)報道、そしてその報道によって形成されたこの国の世論。
いったいどれだけ客観性があるの?
どれだけ正当性があるの?
どれだけ信用できるの?
中国のこと笑えますか?
もっとも中国の報道の自由度は176位だけど。
中国人って、インテリになるほどテレビニュースは信じてなくて、インターネットで知る世界の情報のほうを信用していたりする。
深圳の人なんて、香港に近いせいもあるのだろう、こっちが驚くほど中国共産党を信用してない。
タクシーの中でK先生が「共産党何てダメだ」なんて話し出したのは私のほうがあせった。日本語で話しているとはいえ、タクシーの中だ。
M先生は、天安門事件があった1989年の記憶を、私のような日本人相手に語る。
常州の大学(正確には学院)だって、I先生ははっきりと中国共産党批判を口にしていた。
中国批判をするなと言いいたいんじゃない。
共産党一党独裁のもとで、中国人は「真実」を知らない。こういった誤った認識が中国批判の前提になっている。
この前提をやめないかと思う。
だから、『そこまで言って委員会NP』なんかを見ると、どこまでが芸としてでやっているのか知らないが、パネラーたちは自分たちこそが、真実を知っている。正義は自分の側にあると信じて疑わず、上から目線で中国批判をしている。
テレビ的にはわかりやすいし、面白い。
でも下品だなと思う。
バラエティーの手法で、わかりやすくも過激な発言を繰り返すドナルド・トランプに熱狂するアメリカ人と何が違う?
イギリスのあの民主的な国民投票によるEU脱退決定のドタバタを見ると、民主的にドナルド・トランプが大統領に選出されそうなアメリカを見ると、自民党を大勝させたあまりにも頼りなさすぎるこの国の野党を見ると・・・。
目くそ鼻くそを笑うみたいなことになってなければいいんだけど。
今日も大阪では、韓国総領事館近くで在日コリアンの排斥や日韓の国交断絶などを訴える街宣活動があった。
日本人の民度だってその程度なんだよ。
2015.11.19 Thursday
わたしも判子が欲しい 〜 祝! ブログ史上最短記事
わたしもZさん制作の判子が欲しい。
(This is not Twitter.)
2015.11.18 Wednesday
リンク追加 〜 貧しきものは幸い…なわけない!
日本に戻ってきてから、どうも記事がつまらなくなった。と、自分でも思う。お笑い系がなくなって教育論みたいなのが多いな。
記事と同時にアップする写真も極端に減っている。だいたい、人が読みたくなるブログと言うのは、写真がいくつかあって、写真の間に、あまり長くない文章がはさみこまれているものである。わたし、両方の条件を満たしてない。
みどりさんの「みどりの果敢な北京生活(忍者版)」は、いつもこの条件を満たしている。笑いのセンスもするどい。
やっぱり、環境は大事だ。
中国という異国だからこそ、見るもの、目の前にあるものがすべて面白くて、それを面白い! 面白い!と写真にとって報告していたのだが、日本なので、しかも生まれ育った神戸にいるもんで、どうも目にするものが日常茶飯にしかうつらない。
仕事に余裕が出てきたら、そのうちお笑い系に戻るのでしばし待て。
なにせ、授業準備や、作文の添削やら、採点やらで、9月の終わりから家賃払っているのに、未だに大阪市内の新居には移れていないのだよ。(9割がたの荷物は新居に移したのだけど、仕事に必要な本やら教材やらパソコンやらなんやらがすべて神戸の実家に残っているので、新居に移れないでいる)
ところで、このブログの右下にあるLinks。
もちろん、こまめに更新をチェックしている愛読ブログにリンクをはっている。
わたしのブログを読んでいる人には、こっちも面白いよ。読んでね。という意味もある。
『nanshifandaxuenakaのブログ』は、人様のブログではあるが、私の言いたいことがずばり書いてあることが多くて・・・。
脳みそのどこかがまったく同じ構造というか、全く同一のプログラムが組み込まれているのだと思う。
パリのテロに関する記事で、「良識は完全にこちらにあり非道無道は疑う余地なく向こう側の組織に充満しているという主張は、父祖の土地を奪われあるいは蹂躙されただ平凡に暮らしていただけの人間の頭上に“イスラム兵士がいる『かもしれない』から”という理由で雨あられと爆弾を降らせ“られる”人間の側から見た時、全く相対的な無根拠なものにすぎない」「オサマ・ビンラディンがいる“かもしれない”という、希薄きわまりない理由でボカンボカンと爆弾を落とすアメリカが信じられなかった。たしかに岩と低木の半砂漠だが、それでも人間が住んでいる。間違いなく人間の営みがある」、「空爆するアメリカは国際社会の中枢だがアフガンやイラクは国際社会に入らない」、「パリは爆撃しないがアフガンは爆撃しても平気だという理屈が、どうしてもわからなかった」という意見を読んで、わたしはブログを書く手間が省けたと思った。
イスラム国に報復すること、それが正義であるかのような新聞記事を読みながら、わたしが考えたことと全く同じだったからだ。
世の中、こんなに意見が合う人もいるもんだ。ただ、私は性善説で、海南島さんは性悪説の人だから、根本的なところでは完全に対立するはずなんだけど。
根本は正反対なのに、同一の結果が出力される。やっぱり脳の一部が同一の思考回路になっている?
とにかく、読んでない人は読みなさい。
そのLinksにブログを追加した
『管理職日本語教師の、相当深〜いつぶやき。』
ブログ主は、日本語教師のyoriさま。
リンクの許可のお願いのメッセージを差し上げたら、「私のブログのリンクをchinamaychina様のブログにはっていただけるなんて、光栄です」という、ていねいな返事をいただいた。
さらに「あなた様のブログも拝見いたしました。いや〜なんというか感激です。久しぶりにまともな社会人としての前向きなご意見を伺えてよかった〜という感じがしました」との言葉も。
恐縮である。光栄なのは、中国から戻って日本で日本語教師を始めたばかりのわたしのほうである。
yoriさんは日本語教師歴なんと17年! なのである。
さて、yoriさんの『『管理職日本語教師の、相当深〜いつぶやき。』
面白いのか?
といわれると、日本国内で日本語教師している人以外には・・・うーむ。
読みやすいのか?
といわれると、かなり辛辣な日本語教育界批判が多いから・・・うーむ。
じゃ、なんで読んでいるのか? というと、学生にいい教育を受けてもらいたい。そのために日本語学校は教育の質を上げる努力をしてほしいという、学生に対する誠意を感じるからだ。
日本で日本語教師を始めて、日本語教育の世界に同じ危機意識を実感として感じたからだ。
またまたいただいたメッセージの引用になるが、
「最近は頂くメッセージもお悩み相談的なものが多く、まじめで熱心な、社会人としてのまともな感覚がまだ壊れていない新人教師ほど、悩んで「どうしたらいいんでしょうか?私の何が悪いんでしょうか?」と送ってこられる。とても心が痛いです。」
という文面からも、
日本語教育は本来、世界中から集まってくる学生と教師が、ともにすばらしい夢が描ける誇り高い職業でしょ?
新人教師が夢と希望を持って入ってきても決してそれを裏切らない素晴らしい職業であるはず(あるべき)でしょ?
ところが、ダメな日本語学校とダメな中に安住し改革の努力をサボタージュする日本語教育の世界が、教師と学生がともになってつくりあげるはずの夢をぶちこわす。
日本語教育はこのままでいいの? いいはずないでしょ。
そんなメッセージを強く感じる(誤読してないですよね?)。
それにわたしは「そうだ、そうだ」と強く共感する。
わたしも時々ぼやいているが、日本語教師の社会的地位は低い。
日本語教師の給与といったらそりゃあもう、プアホワイト。
しかし、「やりがいがある仕事」ということで、「日本語教師は職業じゃない。生き方だ」なんていう、日本語教師の間では有名な言葉があったりする。
日本語教師は職業じゃない。生き方だ。
こんなこと言って、現状を肯定してはいけないのではないかと思う。
いつまでたっても社会的地位の低いままだよ。
日本語教師、きわめて専門性の高い、誇りある職業じゃないか。大学生のアルバイトではできない仕事だよ。それに見合うだけの対価を得るべきだろうと思う。
日本より貧しい国の学生が相手だから・・・なんて変に納得せずに、小学生を相手にしている浜学園のアルバイト学生講師のほうが時給が高いのはおかしいと思わなきゃ。
毛沢東は、貧しいことは悪くない。不平等こそが悪いといった。
「日本語教師は職業じゃない。生き方だ」なんて言っている日本語教師は毛沢東主義者か? 日本語教師は平等に貧しい貧者のユートピアの住民なのか?
ニーチェは「貧しきものは幸いである」というキリスト教道徳を「奴隷道徳」として激しく批判した。わたしも発狂しながら、ダメな日本語学校、ダメな日本語教育の世界を批判していこうかな。
でも、そんな記事書いてたらますますブログ村のランキング下がるな。
そういえば、最近日本語教師LIFEセンセーのブログ、全然読んでないや。
最後に、yoriさま、丁寧なリンク許可のメッセージありがとうございました。神戸との関係は、上記のとおり。神戸の生まれ育ちです。
2015.11.15 Sunday
テスト作成中 〜 授業は商品である
休みというのに、K学園の後期中間試験を作成中。先週の日曜日は作文の添削をしていた。
テストは、2クラスを受け持っているから2クラス分。「会話」と「読解」のテストを作成しなければならない。
K学園は金払いが悪い。テスト作成手当なし。
2chの掲示板で評判を見たら、やっぱり”ケチ”という言葉があちこちに。
来年の3月までの契約を待って、この学校は終了にしたい。
それにしても、この学校は「学校としての教育の質」「学校として提供するサービスの質」という考え、要するに「教育の品質管理」の思想が全くない(としか思えない)。
授業で何をするのかは常勤の各クラス担当にお任せ。
だから、ある担任は事細かに授業のやり方を決めて、非常勤の講師にそれを要求する。
ある担任は、この教科書を使ってください。あとはお任せしますということになっている。
一つの学校なのに、担任によって授業のやり方が全然違う。
こんな状態だから日本語学科の主任の先生が、各クラスで何をしているのか把握していない。
だから、
非常勤 : あのう、すみません。〇〇はどういうやり方ですればいいのでしょうか?
主 任 : わたしはわからないので、担任の先生にきいてください。
となる。こんな主任の先生は初めてだ。
どんな会社(学校)にも、会社(学校)の看板として、ウチはこういうクオリティーの商品(サービス)を提供しますという思想があるべきだろう、というかその思想がない会社(学校)は珍しいだろうし、おかしい。
その思想がないから、平気で新任の非常勤講師にもテストを作成させる。
大きなテストは、そこでの経験ある講師が作らなければならない。
そして、「各学期の中間であるいは期末で、このテストのクラス平均が〇〇点になるような授業をしてください」と、学校が各講師に求める授業の水準を示さなければいけない。
そして、その中で各教師が目標に向かって切磋琢磨する環境があってこそ、講師の側も日本語教師として成長できる。
浜学園は「授業は商品だ」といった。今から40年以上も前に。
当時は、「教育を商品とは何事か」と非難ごうごうだった。
塾は利潤追求をする私企業だ。そして商品は授業だ。だから商品としての授業のクオリティーを上げる努力をする。
そして各先生は集客力のある、顧客満足度の高い商品(授業)を提供すべくスキルを磨く。
当然のことじゃないか。いいことじゃないか。何がいけなかったのかと思う。
もっとも当時は、塾は「神聖な」教育を金もうけの手段にする悪の商売という声がたくさんあった。
さて、K学園。
学生の学習意欲が相対的に低いから、クラス担任は次々と教室内の規則を次々と作る。
授業中は学生全員の携帯・スマホを取り上げる。
カンニングはその場で即0点、などなど・・・。
経験的にいって、規則を細かくしていけばいくほどその網から漏れる学生が増える。
つまり、規則違反がますます目につくようになる。
だから、この規則が守れない学生には以下の罰則を与えますといったようにますます規則が増えるという、息苦しい規則のスパイラルに陥る。
そして、学生の目から輝きが消える。
学校として、目の前にいる学生たちにどんな教育というサービスを提供したいのだろうか?
彼らが発展途上の国の学生だからといって、どこか彼ら彼女らを見下していないだろうか?
教育理念がなく、目の前にいる大切な学生を、授業料を運んでくれるお客さんとしか見ない学校の経営に手を貸すようなことはしたくないと思う。
ついでに、この学校は授業の際、副教材として市販のテキスト類を大量にコピーして学生に渡している。
われわれ講師は、授業の前にせっせと大量の無断コピーをしている。
最終的にはテキスト一冊(一冊に終わらないんだけど)丸ごとコピーをクラスの全学生に渡すことになる。
まぎれもない著作権の侵害であって法的にも問題がある。非常に心苦しい。わたし、もと編集者だから、教材を出版していた側として無断コピーの問題には敏感になる。
それに、こんだけ副教材のコピーが多いというのは、教育が要するに「詰め込み教育」になっているのだ。
たくさん教えたら、たくさんできるようになる。経験の浅い先生は結構こう考えて、やたら宿題を出したり、プリントをいっぱい作ったりするする。これ塾での経験。
わたしは、10のことを教えるのに10の知識を与えるより、1つのことを教えて、それを10の知識として活用できるような授業をしたいと思う。宿題だって、授業でやったことの確認・定着以上の内容は不要だろうと思う。
経験の浅い先生は、易から難へと配列されているページの問題番号順に問題をやって、「残りは宿題です」なんてことをやる。
結果難しい問題が宿題として残される。
難しい問題をじっくり考えながら解くことに快楽を感じる優秀な生徒・学生ばかりのクラスならそれでもいいだろう。でも、そんな生徒・学生は絶滅危惧種としてレッドリスト入りさせてもいいくらいのごくごく少数派である。
学校にもいろいろある。私が行っているもう一つのY学院はいい学校だ。学ぶところも多い。
エラそうにK学園はダメだねぇなんて、こんな教育(学校)論をたれているわたしだって、素直に「勉強になります。ありがとうございます」と謙虚になれる。
それにY学院は、テスト作成の際はちゃんと手当がある。もっとも新任の講師にはテスト作成なんて大役はまわってこないが。
K学園もテスト作成手当が欲しい。こんなだから、K学園は非常勤講師の定着が悪いんだよな。
愚痴ってないで、早くテストつくろっと。
【追 記】
YOUTUBEリンク: Stranglers - Shah Shah a go go
わたしは、もちろんテロには反対する。が、同時になにがテロリストを生み出したのかという冷静な考察(犯人グループはフランスのイスラム国に対する空爆を犯行の動機としている)が欠落したままの、「あらゆる手段」を使った感情的な「報復」「無慈悲な戦い」を決行することにも反対する。
報復。9.11以来よく聞くようになった言葉だ。イスラム急進派に対するテロへの報復が新たなテロを生み出していることは9.11以降の事態から明らかではないか。
今教えている学生の中にもシリア人がいる。もちろんイスラム国とは無関係だ。が、今彼はどんな気持ちでいるのかと思う。
2015.11.02 Monday
恐るべし、中国の国際的影響力
日曜日だ。
でも、この間の作文の授業の添削をしなければいけない。
で、添削をしていた。
授業時間外の作業が多すぎるぞ!
授業時間外の作業に給与は出ない。割に合わんぞ!
海南島さんが、長い時間をかけて作文の添削をされていることをよくブログに書いている。とても丁寧に、親身になって学生の作文を読んでおられるのだろう。
まったく頭が下がる。
もっともわたしだって、初級のたどたどしい日本語だけど、一生懸命に書かれた『わたしの週末』というテーマの作文を、一人一人の顔を思い浮かべながら読むのは楽しい。
しかし、大阪の「阪」の漢字が、日本のじゃなくて、中国の「阪」になっている(中国の書体の場合、四画目が水平ではなく、右上から下へと斜めになる)作文が多いのは、クラスの中国、そして中国系学生の影響か!?
中国系シンガポール人のヨン君の隣に座っている、シリア人ナセル君の書く漢字にもしっかり中華系の影響が見て取れる。
「阪」の字はもちろん、「天」も1画目より2画目が長い中国の書体の「天」を書いているし、「窓」も中国の書体「窗」とごっちゃになって「心」の部分が「口」になっているし・・・。
インドネシアのベリル君の作文は「中古」と書くべきところを「二手」と書いている。これ中国語。「second hand」の中国語訳だ。
ベリル君もヨン君の隣に座っている。
恐るべし、中国の国際的影響力。
違うか?
さて、添削もあと残り2枚になったところで、ベトナムのトイ君の作文の最後に、紫のペンでこんなメッセージが・・・。
「先生はチェックをするからありがとう」
最後にこんなメッセージが書かれた作文は初めてだ。
日曜の休みの日の添削という苦労が報われる瞬間。
2015.11.01 Sunday
多文化共生と文化相対主義ということ
Y学院のK先生は言った。
「日本語を習っている人は、かつて日本の植民地だった国(と地域)の人が多いんです。中国でも日本語教育は北、旧満州(中国名は偽満州国)が盛んなんです」
旧植民地でかつての日本が行った日本語教育は正確に言えば日本語教育ではなく、国語教育。
つまり、自国の言葉として日本語を習い、「正しい」日本人となるための皇民化教育。
わたしは、多文化共生主義者でと文化相対主義者だから、日本語を教えるうえで、言語以外の要素を教えるのは、日本の社会と不要なトラブルを起こさぬように最低限のことだけにとどめたいと思う。
日本人はお辞儀をするのだとか、日本人はごみ箱に液体や液体が入ったままの容器を捨てたりしない(※注)とか・・・。
今まで中国で、学生は全員中国人相手にしか教えたことなかったけど、いろいろな国の学生が混じっている教室で教えていると、いろいろな発見があって面白い。
「あなたの国はどんな国ですか?」
自国に対しこう質問されたら「いい国です」という肯定的な答えが返ってくるものだと思っていた。
ところが、南アジアや中東の国の学生なんかは、冗談半分かもしれないが「悪いです」なんていう答えが返ってきたりする。
確かにこのあたりの国は、決して国民のモラルが低いとか、不親切と言うわけではないけれど、外国人がよく引っかかる詐欺のパターンを知っておくという最低限の自衛をしておかないと、人が良くてとっぽい日本人はいろいろ騙される。
内戦をしている国の学生もおり、やはり「いい国です」なんていう答えは返ってこない。
「Not safety、こわいです」
そりゃ、内戦状態(※シリアのように大国がそれぞれの思惑で介入し、さらに事態を悪化させている国もある)じゃ、「いい国です」とは答えられない。
こういうのを不用意な質問と言う。質問すべきじゃなかった。
さて、中国人だけの教室だと、休み時間になると学生同士は中国語で話をする。
当然だ。中国人同士だから中国語が共通の言語である。
ところが多国籍が入り乱れる教室は、他国の学生と話すのに英語や日本語で話している。
英語のみならず、日本語が彼らの共通の言語になる。
とても好ましい。
しかし、中国でしか教えた経験がない人間が、日本の多国籍が入り乱れる教室で教えるというのは、未経験者同然になるということであって授業準備に忙殺される日々・・・。
さらに先週は作文の授業があったので、クラス全員の作文を今週中に添削しなければならない。
いつ、大阪の新居に越せるんだか。
割に合わない仕事だ。
※注: ニュースで空港における外国人ツーリストのマナーの悪さを報道していた。
その一場面で、清掃員の目の前で缶ジュースの飲み残し、つまり中の液体をごみ箱に流して捨てている様子が映したものがあった。
レポーターが言う。
「清掃員の目の前で、ジュースの中を捨ててます」
液体をごみf箱に捨てる。この行為は中国の人にとってマナー違反ではない。だから、清掃員の目の前であっても、これっぽっちも悪いこととと思わずに、中国での習慣でしたことだ。
普通の中国人の感覚なら「ちゃんとごみ箱に捨てたじゃないか。 何がいけないんだぁ???」である。
「マナーが悪い」のではなく「マナーの不一致」である。
日本人だってかつては、欧米流のマナーを知らずに、海外で日本流を持ち込むことでひんしゅくを買っていた。バスタブの外で体を洗い、バスタブの周辺を水浸しにするとか、部屋着のままでホテルの廊下やロビーに出てくるとか。
かつての日本人は、バスタブの使い方が分からなかった。ホテルのマナーは旅館と同じではないということを知らなかったのである。
「マナーが悪い」と「マナーの不一致」。
偏見を助長させないために、マスコミはこの2つの言葉を使い分けてほしいと思う。
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