2016.07.18 Monday
花火大会
「夏になると花火大会があります。日本の花火はきれいです。みなさんも見に行ってください」と言ったら、シリア人のA君が言った。
「先生、シリアに来てください。シリアは毎日花火大会です」
もちろんシリアの花火の下には死体がごろごろしている。
2016.07.16 Saturday
なんで大阪弁を教えへんねん? と思う
ラマダン期間中は禁煙していたムスリムの学生たちが喫煙室に戻ってきた。
喫煙するということは、要するにニコチン依存症である。
よくもまあ、ニコチン依存症の人間が、ラマダンという理由で簡単に禁煙できるものだと感心する。
恐るべし宗教の力である。
「日本のタバコは高いです」なんて愚痴るのなら、ついでだから健康のためにそのまま禁煙を続ければいいのに。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「chinamychina先生は、教科書にないことも教えてくれます」と、ネパール人のS君が言った。
「chinamychina先生は、大阪弁を教えてくれます」と、ベトナム人のHさんとインドネシア人のMさんが言った。
ほかの先生は大阪弁を教えないのか? と不思議に思ったので、ほかの先生は大阪弁を教えないのか聞いてみた。
「はい。他の先生は大阪弁を教えません」
どうして教えないのか、私には理解できない。
ここは、大阪である。難波にも、黒門市場にも近い。
教室を一歩出たら、もうコテコテの大阪弁の世界なのである。
習った日本語を実用のレベルに上げるためには、最低限の大阪弁は教えないといけないと思う。
でないと、何のために、日本の、大阪の、学校に通ってんねんと思う。
と言っても、しょっちゅう大阪弁を取り上げているわけではない。
「いいえ、違います」→(大阪弁)「いや、ちゃいまんねん」。こんなのは別に教えなくてもいい。
また、「めっちゃ」なんかは教えなくても、いつの間にか覚えて「めっちゃおいしい」なんて言っている。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
例文:宿題をしなければなりません。
この「〜なければなりません」の文型は初級で必ず習う。
「must do」「have to do」である。
ついでに中国語だと「必須」。
「must」や「have to」程度の英語は誰でも知っている。
だからわたしは、文型導入する際は、
「なければなりませんは、must、have toの意味です。動詞のない形に接続します」とだけしか説明しない。
文型導入は極力シンプルに時間をかけないほうが学生にも理解しやすい。
行きます → 行かない → 行かなければなりません
飲みます → 飲まない → 飲まなければなりません
します → しない → しなければなりません
来ます → 来ない → 来なければなりません
ところで、この「〜なければなりません」の言い回しであるが、ふだん会話で使うか?
まず使わない。基本的には書き言葉だろう。
ようするに、このままではきわめて実用性が低い。
初級日本語の教科書『大地』には「〜なきゃ」という会話表現が同時に出てくる。
例文:ご飯、作らなきゃ。
これでやっと「〜なければなりません」の文型が実際の日常会話で使えるようになる。
しかし、大阪人は「ご飯、作らなきゃ」とは言わない。
「ご飯、作らな(あかん)」である。
行きます → 行かない → 行かなあかん
飲みます → 飲まない → 飲まなあかん
します → しない → ※せなあかん
来ます → 来ない → 来なあかん
これ、けっこう学生に受ける。
学生の中にはアルバイトをしている学生も多い。
アルバイトをしていれば、同僚や上司から「〇〇せなあかんで」と注意や指示されることは多いだろう。
標準語の「〜なければなりません」は知っていても、大阪弁の「〜なあかん」が分からないとアルバイトにも支障が出る。
学生が、方言を使えるようになる必要は全然ない。
しかし、教室から一歩出ても使える実用的な日本語の力をつけてやる。そのためには、必要に応じた最低限のその地方の方言は教えて、方言を、つまり実際にそこで使われている生きた日本語を、「聞いてわかる」ようにしてあげることは必要じゃないか・・・と思う。
写真は浪花ブルースの超超名盤、上田正樹と有山淳司の『ぼちぼちいこか』
リンク: 有山じゅんじと上田正樹 / 俺の借金全部でなんぼや(youtube。再録音した『ぼちぼちいこか '08』フューチャリング くいだおれ太郎より)
どうしてほかの先生は大阪弁を教えないのだろうか?
2016.07.02 Saturday
ラマダーンの学生はナチュラルハイになる
もうすぐ終わるが、今イスラム(※注)の人々は断食月、すなわちラマダーンである。
イスラム暦に合わせるので、毎年時期は変わる。今年のラマダーンは6月6日から7月5日までである。
わたしの学校にいるムスリムの学生たちは、この期間どうしているのかと言うと・・・日中は食事もとらないのはもちろんのこと水も飲まないというのに、いつもと変わらない。
ラマダーン期間中に校外学習があって、農業公園レジャー施設ハーベストの丘というところに行ったのだが、「水も飲まないなんて熱中症にならないか」というこっち側(先生ね)の心配をよそに、彼らは元気いっぱいではしゃいでいる。
↑ 校外学習 at ハーベストの丘
パキスタン人A君なんか、仲のいいロシア人Pちゃんと一緒にアウトドアの遊具施設遊び倒している。
なんかまるで学校が二人の楽しいデートの機会を提供したみたいだ。
日中食事もしない水も飲めないなんて、ラマダーン月のムスリムは大変だね、なんて思うのは日本人の感覚であって、ムスリムは全然「大変だ」なんて思ってないのだろう。
「日本でお祭りを楽しむような、そういうノリがラマダーン月にもある」
「断食が行われるラマダーン月は本当に楽しいんです」
なんていう証言もあることだしね。
※注:最近の社会科の教科書を読むとイスラム教は「イスラーム」と表記されている。イスラームという言葉の中に「教」という意味が含まれているため、「教」の言葉を足すのは重言になるという理由である。
追記:清真料理(せいしんりょうり qīngzhēncài)はイスラムの戒律に従った料理の中国名。
ウィキペディアの清真料理の説明に、間違った記述がある。「非ムスリム居住地域に立地する清真料理店も数は少ないものの存在し」とあるが、そんなことはない。
回族、ウイグル族をはじめ中国には多数のイスラム教徒がいる。だから庶民向けの清真料理店は、日本のコンビニ並みにあちこちにある。学生食堂の中でも店舗を構えている。どこの店もほとんど同じメニューで値段も同じようなもの。
わたし、中国にいたときは少なくとも週に3回以上は利用していた。
牛肉炒飯や牛肉土豆面(麺)よく食べたなあ。ただし、同じ料理でも店によって味の当たりはずれが大変大きいうえに、おいしくない店のほうが多かったりするので、おいしい店を発見するとその店ばかりに行くことになる。
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