『中級から学ぶ日本語』『上級で学ぶ日本語』を読む

2014.03.29 Saturday

深センは分断都市であった～一つの市に二つの体制

アクセス解析を見ると、今月２７日からずっと３００近くのアクセスがある。
ふだんのアクセス数が１５０くらいであるから倍である。

そうか、みんなわたしのこと心配してくれているんだね。どうもありがとう、と言いたいがそういうわけではない。
ＴＢＳ系の「予約殺到！スゴ腕の専門外来ＳＰ４」と言う番組でＡＫＡ-博田法が紹介されたからである。
「ＡＫＡ博田法」「神戸」と入力してググると、わたしのブログ１月２３日のエントリー記事がトップに表示される（各自試してみよ）。

そんなわけで、わたしのことが心配で訪問してくれたのではなく、ＡＫＡ博田法を受けたいという神戸市民がわたしのブログにどどっとやってきたというのが真相である。
世間とはそういうものだ。

有力な情報を求めてわざわざ訪れてれてくれた人、あまり参考にならずにごめんなさい。わたしには、ＡＫＡ博田法の効果は感じませんでした。

謝ることないか。わたし謙虚な人である。

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深圳は１９８０年、中国初の経済特区に指定されて、発展した町として知られている。

中国国内では、１９８９年に○○○事件（自主規制）がおこるわ、国民の格差はますます広がるわと、１９９０年代に入ると鄧小平の改革開放路線にも懐疑的な声が多く出るようになった。
１９９２年、鄧小平は改革開放の成果を確認すべく武漢、深圳、上海などを視察する。
深圳を視察時、国貿ビル（※注）の最上階から高層ビルの立ち並ぶ深圳の街を眺めた鄧小平は、「あをによし深圳の街は咲く花のにほふがごとく今盛りなり」と歌を一首詠んだ。
いや、詠んだのは「この世をば　改革開放の世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」かもしれない。
いやいや、実は両方とも詠んでないような気もする。

歌はともかく、鄧小平の視察とそこでの声明を南巡講話といい、改革開放路線は再び弾みをつけるのである。
　
　
↑ 鄧小平ゆかりの国貿ビル

深圳に住んでいる人のブログに、深圳は北京や上海に比べて街が小さく、中心部を離れるとすぐ田舎と書いている人がいた。
わたしが住んでいたのは、学校のある白石洲（バイ・シ―・ジョー）から地下鉄で約３０分の坪洲（ピンジョー）。
完全に深圳の中心部から外れている。ところがやはりここも高層ビルが建ち、濰坊の中心部並みに都会である。
近くにデパートもスーパーもマクドナルドもある。
わたしが住んでいたのは３４階建ての超高層マンション。

中心部から外れても田舎じゃないではないかと当初は思った。
しかし、やがて深圳の地理がわかるようになると、「中心部を離れるとすぐ田舎」という意味が分かった。

中国は行政区分として市の中に区がある。日本と同じである。
深圳は２０１０年から全市が経済特区になった。
しかし、深圳が中国最初の経済特区に指定されたときは、羅湖区、福田区、南山区、塩田区の４つの区だけが経済特区だった。
この４つの区は香港に隣接している。
深圳の全市が経済特区ではなかったのだ。
日本人がたくさん住んでいるのは羅湖区、福田区、南山区。
マンションの家賃は日本並みかそれ以上に高い地区である。

この４つの区は長く入境許可がないと中国人でも立ち入ることができない特別な区だった。

↓下の地図を見て町が分断されているわかるだろうか（ピンボケでちょっと分かりにくいな）。

赤い太線（区の境界線）をはさんで右下が以前からの経済特区である南山区で、左上がかつては経済特区から外されていた宝安区。
赤い区の境界線の右側は緩衝地帯となって建物はない。
わたしが住んでいたのは宝安区だ。

小さな道は２つの区をつないでおらず、黄色で塗られている大きな２本の道路だけが２つの区をつないである。
大きな２本の道路には今は使われていないが検問所が設けられている。

羅湖区、福田区、南山区、塩田区の４つの区は中国初の経済特区であり、いわば中国のショーウインドウとして、対外的に整備開発されてきた町。
町並みはあか抜けており、日本と変わらないような便利さを享受できる場所もたくさんある。
セブンイレブンがたくさんあり、スーパーもウォルマート、イオン、カルフールと外資系が中心。高級ブランドの店もたくさんある。

ところが宝安区に入ると、高層ビルも立ち並んでいるものの途端に中国ローカルな風景となる。
コンビニやスーパーも中国資本のものが中心となり、日本と変わらないと感じることができる場所はほとんどなくなる。
高級ブランドの店は、わたしは見たことがない。

羅湖区、福田区、南山区、塩田区の旧経済特区とそうでない区とははっきりと格差がある。

ベルリン・・・なんてそんないいもんじゃなくて、まるで渋谷区の隣に荒川区があるような。
そして例えてみれば、かつては荒川区民は許可がないと渋谷区に入れなかった。なんかそんな感じなのである。

中国は戸籍法で農村部の住人と都市部の住人には大きな格差があることが知られている。
でも、かつての深圳のように都市部に住んでいるからといっても油断ならないのである。

※注： 地下鉄、国貿駅の近くにある高層ビル。国貿駅周辺から隣の老街駅にかけては深圳で一番の繁華街。国貿駅周辺には日本料理店や日本人駐在員相手のクラブ（キャバクラ）も多数ある。中国人Ｋ先生は国貿にあるクラブの男子従業員でもある。二足のわらじである。日本語教師やっているより絶対そっちのほうが儲かるよな。