『中級から学ぶ日本語』『上級で学ぶ日本語』を読む

インドにビーフカレーはないというのは、日本にはNINJYA（忍者）がいるというのと同じくらい間違っている。
わたし、インドでビーフカレーを食べた。

インドの牛肉消費量は世界第４位だそう。
牛肉が大好きなイギリスの植民地だったわけだから、ヒンドゥー教徒を除いて牛肉を食べる習慣が広がっていてもおかしくない。

イスラム教徒は豚肉を食べない。
「豚は神様ですから」。中国人Ｋ先生は言った。
なぜか、イスラム教徒にとって豚は神様と思っている中国人は多いらしい。
イスラム教徒にとって豚は不浄だから食べないのである。

大阪は九条のいずみカリーの存在は、香港のそごう（崇光百貨）・尖沙咀店（※注）で知った。
ここの食品売り場は、日本の食品売り場をそのまま香港にスライドさせたような品揃えで、フードコートも日本のそれと全く同じ。
店員が香港人で日本語が通じないこと以外そのまま日本である。
そこに、いずみカリーがあった。


↑　そごうのフードコートにある店。大阪・王将なんかもある。いずみカリーは「日式咖喱専家」と紹介されている

「九条にそんな有名なカレー屋があったっけ」
値段がちょっと高いのでいずみカリーには入らず、お好み焼きの店に行った。
香港のそごうで食べたお好み焼きは日本のそれと同じ味がした。


元嫁と娘は九条に住んでいる。
「香港で大阪・九条いずみカリーっていうの見たけど、この近くにあるの？」
「ああ、すぐやで」
ということで、元嫁、娘と３人でいずみカリー・本店に行った。

「あそこや」
元嫁が道の向こう側を指さして言ったが、全然わからない。
下の写真を見よ。全然わからないでしょ？


いずみカリー・本店は、本店らしからぬ小さな店だった。


当たり前だが香港で見たメニューと同じだ。

店内はモダンジャズが流れている。
こだわりを持ってモダンジャズを流している店の料理はうまいというのがわたしの持論である。
こだわりがなく有線で歌謡曲を垂れ流している店の料理はまずい。

わたしが注文したのは煮込みスジカリー。香港で見たときから気になっていたのだ。
さてやってきたカレーのルーは濃厚で、まず甘さが来て次に辛さがやってくるというタイプ。

娘には辛すぎるようだ。
娘が注文したのはねぎと肉のカレー。
「ちょっと無理」と言いながらも完食した。
ねぎとカレーの組み合わせと言うのはちょっと思いつかなかったけどとてもうまそうだ。

元嫁が注文したのはトロトロオムカリー。なるほどトロトロというかふわふわな感じの玉子が見事である。


大阪のカレーというのは、濃厚なルーで甘さの次に強烈な辛さがくるというのがその特徴ではないかと思う。
有名なインディアンカレーがそうだ。ここが、甘い→辛いのタイプのカレーの元祖だろう。
最近は大阪のあちこちで見かける福島上等カレーもこの流れをくんでいる。


いずみカリー。たしかにおいしい。
でも、満足度は値段相応で払った金額以上の満足はなかった。
無料のトッピングがあまりたいしたことない福神漬けしかないのも満足度を下げている。
インディアンカレーやこれまた有名なピッコロなんかは、カレーを注文するとキャベツのピクルスがついてくるがこれが美味しい、美味しい。
こういうサービスが値段以上の満足感を与えてくれる。

いずみカリー。５つ星を最高点としたら、わたしは☆☆☆かな。
でもカレー好きなら一度食べてみたいカレーだと思う。


※注：今年２月に閉店したらしい。日本人観光客は１００％入ったことがあるのではないか。たいへんいい場所で客の入りは悪くなかったんだけどな。あとにはどんな店が入るんだろうか。