2015.04.26 Sunday
中国の若者はチョークを持って街に出る
うっかりしているうちに、1元が20円近くになってもう何か月になるのだろう。
中国の物価は高いよ。ユニクロの服も、無印良品の服や雑貨も、ダイソーの商品も、日本円に直すとぜーんぶ日本の価格の2倍だ。スーパーなんか行っても普段使いの日用品のほとんどが、日本の価格以上だ。
日本円で給料を受け取っている駐在員はみんな泣いている。ちょっと前まで1万円を両替したら800元ぐらいあったのに、今は500元だって。
■なんで、常州で買うバナナはすぐに皮が裂けるんだ?
店頭に並んでいる時点で皮が裂けているバナナも多いし・・・。
わたしの朝食はコーヒーとバナナ。中国でも日本でもずっとそう。
No Banana、No Life。バナナは必需品である。アンディ・ウォーホルのバナナ(※注1)と共にね。
■ パイナップルは果物の王様である
パイナップル。その魅力は、まずその造形美。
中国の人は、そのパイナップルの造形美を損なわぬよう皮を処理する。日本のような横の輪切りには絶対にしない。
ほらスタイリッシュな処理の仕方(↓)でしょ。
日本でも、パイナップルの皮はこういう形にカットすればいいのに。
酸味と甘みのバランス。独特のさわやかな香り。値段も安く、味も完璧である。
そして、食べた後はこうして観葉植物として利用可。
見てよし、食べてよし、飾ってよし。パイナップルに欠点は見当たらない。
裂けないし・・・。
■ だめな教科書
2年生の授業で使っている教科書。
学習項目の積み上げ方が系統だっておらずめちゃくちゃ。日本語の誤りが多い。学習内容と練習問題の整合性が悪い、レベルが学生の日本語能力とマッチしてない・・・等など、とても授業がやりにくい。
でも、教科書が悪かろうが何だろうが「チョーク一本あれば、いい授業ができる先生」を目指して、この教科書で授業をやるのだ。
後期になって、授業の内容を教科書からどんどんカットして、基礎の基礎だけ取り上げて教えるようにした。
中国人先生も「この学年はやる気がないです」と言っていた2年生のクラスの雰囲気がずいぶん積極的になった。
授業が分からなければやる気を失くすし、授業が分かればやる気も出てくる。
そういうことなのである。
■ 中国の若者はチョークを持って街に出る
「財布を落としました。家に帰れません。交通費をめぐんでください」
そういうメッセージをチョークで路上に書いて、万策尽きたといった感じで座り込んでいる、大学生らしき若者の姿を見かけることがある。
深圳でもそんな可哀想な女の子を見た。
南京でも見た。その女の子は、疲れ果てお腹も空いているとチョーク書きのメッセージで訴えていた。
そして、ここ常州でも財布を落とした男が一人。
中国の若者は、万が一財布を落とした時のために、常にチョークを携帯して街に出る。
んな、アホな・・・。(※注2)
■ 我的頭髪、ドゥアア〜ン
中国製のシャンプーや歯磨きを怖がる日本人がいる。必ず日本から持参するらしい。
最後は洗い流すんだから、そんなに怖がらなくてもいいのに。中国ではみんな使っている。
わたしは、中国では覇王(BAWANG)のシャンプーを愛用している。
覇王のシャンプーは、中薬(漢方)処方で、髪を黒くするとか、抜け毛を予防するとか、フケを抑えるとか、女性向けも含めさまざまな商品のラインナップがある。
上の写真は中国では20元以下の売れ筋の価格帯で販売されている商品。日本でインターネット経由で買ったりするとかなり高い。
覇王の抜け毛予防シャンプーを愛用していたら、「わたしの頭髪がドゥアア〜ン」ってなったとジャッキー・チェンが証言(動画リンク :“我的洗发液duang”)している。
これ、中国で人気の動画。「ドゥアア〜ン」は流行語になった。
動画を見て、面白さが分からなかった人いますね。じつは、わたしも1回目は分からなかった。
説明しよう。音楽に乗せてジャッキー・チェンの映像とセリフを加工して、ヒップ・ホップにしているところが笑いのツボである。
なお、ジャッキー・チェンの動画の画面に出ている商品は抜け毛防止のシャンプーで、特製のヘアトニック(あるいはトリートメント)付きで55元前後(日本円で1000円以上!)で売られているものだ。
覇王のシャンプーを使っているからって、わたしの頭髪はドゥアア〜ンとなることはなく、何も変化はない。
でも、おかしな成分が深く脳にまで浸透して、脳味噌がドゥアア〜ンとなっているような気がする。(※あくまでも使用者個人の感想です)
■ 最近面白いと思っているブログ
最近面白いと思っているブログは、「中国・青島から、“Qingdao-Wave.com”」。
中国人OLによる日本語ブログ。
中国人らしい日本語の間違いもたくさんあるけど、その日本語の誤りが逆にかわいらしい魅力になっているのは、文章が素直で上手いから。
ちょっと前にKAMOMEさんのブログ「中国滞在記−leftalonein 浙江省−」に掲載された学生の作文にひどく感動した。
中国人学生の作文だから日本語の誤りはある。でも、そんなことは全く気にならず、ただただその作文を書いた学生の知性と感性に驚かされた。
ネイティブのように外国語で会話ができても、内容がなくては意味がない。
ネイティブのような日本語ではなくても内容があればその言葉に人は耳を傾けるし、その文章に人は心を動かす。
よけいな一言を承知で書き加えると、どんなネタでも最後に「嗚呼、面白き中国駐在生活!」という一発芸のセリフで締めくくる日本人駐在員のブログは、あなたは「面白き」でも、この一発芸は読み手をシラケさせるだけで全然面白くないよと思ってしまう。
でもブログ村のランキングはけっこう高いんだよな・・・。
わたしも、「ああ面白きかな日本語教師LIFE in 常州!」っていうセリフで毎回ブログを締めくくろうかな。
絶対の絶対に、死んでもそんなことしない。
■ 最近面白いと思っている動画
最近面白いと思っている動画は、 紳士大概1分钟。
右にリンクをはっている「みどりの果敢な北京生活(忍者版)」で知った。
「みどりの果敢な北京生活(忍者版)」は、中国語のサイトから直接興味深い情報を伝えてくれるので見逃せない。
中国から貴重な情報をお伝えしますと言いながら、日本語のサイトばかりから記事を拾っているだめなブログ(えっ、このブログ? 別に“貴重な情報”とは言ってないよ。日本語教師定点観測者さんからは「このブログ自体、管理人がギャグで書いてっかもしれない」って言われたし)とは大違い。
「紳士大概1分钟」は、おたくな下ネタが多いうえに、最後の日本語講座も使えない日本語がほとんどなので、好き嫌いはあるかもしれない。
もちろん、わたしはふざけた野郎だから、こういうの好きだな。
正規の授業では使ってない(当たり前だ)けど、補講の時は残り時間2分くらいになったところで学生と一緒にゲラゲラ笑いながら見て、「じゃあ今日の補講は終了」としている。
リンクをはっているので一度見てね。
書けた、書けた。さあ今日も、クラブ楽園の愛ちゃんのところへ行こうかな。それともクラブ別世界の麗麗ちゃんにしようかな、と言いたいけど、日曜日にもかかわらず6時30分P.Mから補習だよ。まったく、もう。
今日やって来る学生たちは、日本語力が“紳士大概1分钟”で笑えるレベルに達していないので見せていないし、今日も見せない。
ああ面白きかな日本語教師LIFE in 常州!(←いっぺん、やってみたくなった)
※注1:ベルベット・アンダーグラウンド、1967年のデビュー・アルバム。バナナのイラストのジャケットはアンディ・ウォーホルのデザイン。このジャケットはTシャツのデザインでもよく見かけるので、ロック・ファンでない人でも見たことがあるはず。誰にでも勧められる作品ではないが、ロック史上永遠の名盤の一つ。
※注2: 要は、中国式物乞いの一つのスタイル(バリエーション)。街頭パフォーマンスとも言える。
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Comments
お邪魔します。海南島です。ハルピンでも見ました。「財布をなくしました。もう3日も食べていません。6元くれればお昼ご飯を食べられます。」どう見ても十代後半の女性でした。私は素通りしました。
日本だと警察に相談する所ですけど……。実際にそうした人もいます。いくつかの証明書にサインして帰りの旅費を借りた。
中国ではそれはダメなのかな。
海南島のバナナは避けないようですね……。
Comments
決まったパターンがありますよね。
・必ず若者である
・具体的な必要額を示している
・身なりはきちんとしている
考えるに、
1.本当に財布を落として困っている
2.警察は、助けてはくれないが、チョークをくれる(んな、アホな)
3.女の子の場合、実は援助交際の相手を求めている
4.男の子の場合は???
中国の物乞いのアピールの仕方は日本人の想像をはるかに超えますね。路上に布団を敷き、病気で寝たきり(たぶん)の老婆をそこに寝かせるとか。寝たきりの老婆のはずですが、時間帯によってこまめに場所を移動してたりするし、寝たきり役の老婆が布団をしくのにいい場所を、物乞いの相方と一緒に選定しているところを見たこともあります。
物乞いにも、ニセものと本物があるわけで、おもしろい国ですね、中国は。
バナナが裂ける現象は、常州でしか経験していない。
Comments
ははぁ……。ハルピンの女性は全くそれに該当します。具体的な金額は6元。身なりはそのままでアルバイトの面接に行けそうなほどちゃんとしていました。援助交際の相手を探していたかぁ……。
ニセモノの物乞いだと思って素通りしましたが、もし本物だったら……私は彼女の要求する金額の500倍くらいの現金をポケットに入れてくくせに、なんという冷淡な人間、と思って、とてもいやな気持ちになりました。
Comments
6元×500=3000元! えっ? 薄給の日本語教師が持ち歩く金額じゃないんですけど。
本題に戻って、彼女らの要求する具体的金額ですが、いずれも大変に少額ですよね。ホントに交通費程度の。ほかの、物乞いしている人を見ると、1時間もしないうちに集めているくらいの金額。「財布を落としました」少女が示している金額が6元なら、これは実は600元で援助交際しませんかというメッセージとすると、まあ適正額かと・・・。
などと、もっともらしい理由をつけて根拠のない想像をしてますが、「3元だけ下さい!」とルイヴィトンを持ったホームレスが訴えていたとか、「故郷に帰るために5元ください」と火星人が訴えていた(あっ、これ面白いな。コメントじゃなくて記事にすれば良かった)とか、500年前から来た謎の美女の物乞いが上海に出現したという話もあるので、社会主義国・中国の物乞いの真実を知らない、だから本物とニセモノの見分けのつかないわたしとしては、それぞれの街頭パフォーマンスを楽しむといったスタンスで接してます。火星人とか、500年前から来た謎の美女とか見てみたいじゃないですか。
Comments
追記
現在中国国内では、amebaのブログは大変高い確率でWPKGのサイトに飛ばされているようです。わたしも、海南島さんのブログは、ほんの数秒でWPKGへと飛ぶので、最後まで読むことができません。
わたし、ブラウザはfirefoxを使っているのですが、IEだとWPKG対策がとれるみたいなので、WPKGの問題が解決されるまではIEを使おうかな。
Comments
初耳です!!
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