2012.11.17 Saturday
廃墟マニアックス 〜 捨てられた町、坊子老区
濰坊は、かつての濰県と坊子(現、濰坊市坊子区)が合併してできた町である。
先週、22番の路線バスで南へ30分。坊子区の旧市街(=老区)に行ってきた。
ここにはドイツ(中国語表記は“徳国”)・日本が山東省を支配していた時代(※注)に建てられた建築が、その大半は廃墟と化しながらも、今も多数残されている。
↓ドイツ軍司令部。軍司令部らしからぬメルヘンチックな建物である。火事でもあったのか、梁は黒く焦げ屋根が落ちている
↓日本人住宅。荒れ放題。
ここを訪れるのは2回目。5月に一度行っている。廃墟好きなのである。
じっくり廃墟建造物を見て、廃墟写真を多数とりたかったのだけど、この日は風が強くて、いやー寒いのなんの。体感気温マイナス15度(でたらめな数字である)。
2時間ぐらいで逃げるように帰ってきた。
坊子区の中心は北の新市街に移り、ここ坊子老区は80年以降の解放改革からも取り残され、建物も古い中国のままである。
捨てられた町、坊子老区。
↓ちょっと歩くとこんな風景が。二胡を弾く羊飼いのじいさん。
まあ、辺鄙なところなのだけど石炭がとれる(坊子炭鉱)。
石炭を狙って、かつてドイツそして日本がやってきたのである。
かつて、多数の日本人が住み、日本領事館の出張所や日本人学校もあった。
下の地図は、現存する日徳(ドイツ)古建築。文字が読みにくいが、「徳」の文字があるのがドイツの建築で、「日」が日本の建築物である。
たしかにここは、かつて多数のドイツ人が、そして日本人が住んでいたのだ。
一人のドイツ人も、一人の日本人も住まぬ今、その記憶をとどめるものは、これら物言わぬ建築群しかない。
↓日本電灯公司。やる気なし。ほったらかしである。
↓ドイツ軍医院。ほったらかし。これらドイツの建築物はどれも美しい。
坊子区のドイツ・日本式建築群については、チャイナネットのこのページが分かりやすくまとめている。わたしは、このHPで坊子区のドイツ・日本式建築群について知ったのである。
写真の下の、「今日の横田旅館と旧日軍出張所−−中日甲午戦争の戦跡を訪ねる」という文字部分にはリンクが張られており、クリックするといくつかのドイツ・日本式建築の写真を見ることができる。
記事に誤りがあるので訂正すると
「山東省濰坊市坊子の旧市街地にはドイツ式と日本式建築群が今でもほぼ完全な形で保存されている」とあるが、保存しているのではない。多くは放置されてただ残っているだけである。保存なら廃墟の状態のまま放置しないだろう。
「切符売り場やプラットフォームの事務室は現在でも使用されている」とあるが、現在は石炭の積み出しに使われている貨物駅なので、切符売り場は使われていない。
「慰安所として使われた〈老房子〉」という記述もあるが、これはどの建物の事を指しているのか不明。日軍出張所というのがそれかと勘違いしそうだが、日軍出張所は領事館の出張所であるから慰安施設ではないと思う。
こういった建築物は貴重な歴史遺産ではないのか? 保存する気はないのかと言うと、全然わかってないわけではない。
かつての日本人学校と隣接するドイツ人住宅(徳建豪華住宅区)は、坊茨小鎮(FANGTZE EUROTOWN)という名前で、とてもここが中国とは、濰坊の坊子とは思えないほど綺麗に整備された観光施設になっている。
↓坊茨小鎮
また、この坊子老区は町全体をドイツ風の街並みに再開発する予定がある。その際、現存する日本とドイツの古建築は、どの程度残すつもりなのだろうか?
中国って町ごと、宗教施設も含め建物から道路まで何もかもぶっ壊すからなぁ。
罰当たりな・・・コミュニスト・チャイナ(Communist China)。
濰坊に住んでいる crystal_hu という女の子の坊茨小镇一日游がとても良い。
バレンタインデーがやって来たけど私は一人。バレンタインデーの前に坊茨小鎮に一日旅行したということだ。
crystal_huちゃん。とても可愛い。旅が好きなようだ。 おっ、趣味が合うではないか。
何歳なんだろうか? 濰坊のどこに住んでいるのだろうか? 私でよかったら是非恋人に・・・。
※注:歴史のおさらい
「日清戦争によって清国の弱体ぶりを知った欧米列強は、あいついで同国に勢力範囲を設定していった(中国分割)。」(『詳説 日本史』山川出版社より引用。以下同)
「まずドイツが山東半島の膠州湾を」租借する。
現在の青島(チンタオ)はドイツによって作られた町である。
第一次世界大戦で「イギリスがドイツに宣戦すると第2次大隈内閣は日英同盟を理由にドイツに宣戦し、中国におけるドイツの根拠地青島と山東省のドイツ権益を接収」する。
このドイツに対する日本の宣戦は、
「日本は開戦直後から日英同盟にもとづく参戦の態度を決め、軍事行動の範囲について、イギリスと合意に達しないまま、ドイツに宣戦布告した」
ということだから、まるでどさくさに紛れた火事場泥棒のようだ。よほど山東省を手に入れたかったのだろう。
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Comments
日本ではほとんど炭鉱というものが閉山になってしまったのに、いまでも石炭の輸入量は世界2位。じゃ、1位はっていうと中国。日本はあっというまに極右国歌になりそうなんで、はよお土産かかえて帰ってきてくださいw
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確かに、石炭の輸入量1位中国、2位日本。いろいろとよく知ってますねぇ。
日本に帰れるのは、春節ですね。
来年の春節は2月9日から15日まで。私の在留期限も、ちょうど2月15日。
もうすぐ消費税上がるし、阪神に金本はいないし、吉本 隆明もいないし、三宅久之も見れないし、中国が嫌いな石原、橋下、安倍が元気だし・・・日本に戻って何かいいことある?
吉野家やすき家の牛丼、福島上等カレーが食えるか・・・。
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