2015.05.20 Wednesday
【歴史認識】三人寄れば文殊の知恵…に、なるかな
Hさんが常州に来ていたある日、マンションの近くの韓国料理屋で一緒に食事をした。
ビビンバ=10元、具がたっぷりの味噌汁=12元、巻きずし=7元、炒飯=8元、冷麺=10元など、料理全体に妙に甘さがあるのが気になるけど、安くておいしいので時々利用している店だ。
お店の人同士での会話は韓国語が聞こえてきたりする。
「反日」の中国で、「反日」の韓国の店で、日本人が食事をするということになる。
Hさんは、ここのビビンバとキムチが大変に好みに合ったようで、盛んに「おいしい」を連発して食べていた。
会計の時、老板(ラオバン=店の主人)のおばちゃんがにこにこしながら日本語で言った。
「日本の方ですか?」
びっくりである。おばちゃん、日本語できたんだ。
いつもは、わたし一人で来るので店内で日本語を使うことはない。だから、日本人だとは思われていなかったのである。
「食事中、ずっと店の人がこっち見てにこにこしていたから、不思議だなと思ってたんですよ」とHさん。
反日中国・韓国に日本人が囲まれるどころか、ここは日・中・韓、友好万歳! の店だったである。
しかし、こんな日本語とは全く無縁の常州・武進区の食堂だけど、日本語ができるということは、このおばちゃんにもきっと複雑な歴史の背景があるんだろうな。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
お二人の日本語教師さんのブログにリンクをさせていただいている。
更新された記事は必ず丁寧に読む。
教師としての先輩であり、その意見に同意させられることや教えられること、考えさせられることが多いからである。
お二人が世界の日本研究者ら187名による「日本の歴史家を支持する声明」について記事を書いている。
kamomeさんの、5月20日付の記事「187人の知日学者の声明は真っ当と思いますけど」は、明らかに、hainanshifandaxuenakaさんの5月13日付の記事「187名の世界的歴史学者の“不公平”」へのアンサー(回答)だ。
ブログという公開の場で「わたしはちょっと違うと思います」という意見を表明することは、(相手がまともであれば)知的スリルのある話に発展することはあっても、全然失礼になることではない。
わたしとあなたは意見が違います。わたしの話を聞いてください。または、あなたの話を聞かせてください。
それが、民主主義の土台だろう。
だから、わたしなんかは、名指しで「187人の知日学者の声明は真っ当と思いますけど」と書いてもよかったのではないかとも思っている。
わたしは、「日本の歴史家を支持する声明」については、“世界は日本・中国・韓国の歴史問題をこう見ているんだ”と思っただけで、特に言いたいこともないのでブログではスルーするつもりだった。
しかし、お二人がこうやって「日本の歴史家を支持する声明」についての記事を書いているし、その見方が正反対で面白かったので、“あと出しじゃんけん”になってズルいのだけど、わたしも何か意見しようかなという次第なのである。名指しで。こういうことは、一方的な言いっぱなしにせず、意見交換に発展させたほうが有益だ。
日本語教師3人で、文殊の知恵が出るとは全然思わないけど、なんらかの共通認識というか共通の何かは、その過程ではっきり確認できるはずだ、ってなんて大人なんだろう。
さて、歴史の上に政治があるのか。
それとも、政治の上に歴史があるのか。
もちろん、歴史の上に政治がある。
ところが、どうも現在ある日本(のび太)・中国(ジャイアン)・韓国(スネ夫)をめぐる歴史は、“初めに政治ありき”になっている。
そして、歴史を政治の下僕として利用している。
わたしは、それに大いに疑問を持っているものだから、南京の「事件」の記事(5月3日付「MASSCRE 〜 メメント・モリ at 南京」)を書いたときにも、「一人の死は悲劇だが、集団の死は統計上の数字に過ぎない」というエーリッヒ・マリア・レマルクの言葉を引用して、死を統計上の数字としてしまうこと、そして歴史の道具として利用することに抵抗した。
また、南京で日本軍と抗日軍の間で戦闘があり死者が出たことは、「虐殺の犠牲者は0人」という学者・研究者すら否定できない歴史の事実だから、「メメント・モリ − 死を思え」と言って政治抜きで歴史に向かい合う姿勢を宣言した。
だから、この声明を歴史家が薄汚い政治を行ったというhainanshifandaxuenakaさんの批判は理解できないでもない。
しかし、ドラえもん(アメリカ)の言う「日本の歴史家を支持する声明」は、昨今の行き過ぎた歴史の政治利用に対する、誠実な危機意識の表明とわたしは受け止めた。
ということは、わたしはkamomeさんの意見に近い。
それでも、韓国の聯合通信が「声明の一部を勝手に書き換えて一方的な報道をした」ことに対する、kamomeさんの「我々が相手にしているのは真実を都合よく書き換えて恥じない国だ」という部分はあんまりだろうと思う。
これでは、韓国人全員が嘘つきになってしまう。これと同じ言葉を、韓国人に面と向かって言えるか? わたしは絶対に言えない。
こういう認識や態度で韓国に対しているのでは、いつまでも問題は解決しないし、事態はますます悪化する。
わたしは政治と一般国民は区別すべきだという立場だ。
だから非難すべきは、この記事を書いた記者であり、それを許した聯合通信という報道機関の姿勢であろう。一般の国民まで敵に回してはいけない。
そして、hainanshifandaxuenakaさんの「この書簡は朴とシにこそ送らなきゃいけない」という部分にも疑問がある。
自己矛盾している。「朴とシにこそ」ではなく「朴とシにも」としなければ、それこそ不公平だろう。
ドラえもーん、何で僕だけ。不公平だよ。ジャイアンやスネ夫にも言ってよ〜。
最後に、安倍首相があほなのは学生時代に勉強しなかったからというのはわかったけど、隣の国の大統領があほ(対日姿勢が強硬)なのは、父が高木正雄(たかぎ まさお)という元日本人だから、日本には強硬な毅然とした態度をとらないと国内的にマズイんだろうなと思ってる。
しかし、こんな記事は「政治の話は、おっさん3人で居酒屋行ってやってよね」って嫌われるんだろな。
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