『中級から学ぶ日本語』『上級で学ぶ日本語』を読む

中国の工業製品は決して悪くない。ＡＰＰＬＥの製品だって中国製造である。日本に限らず世界中、中国製品であふれている。
ただ品質管理が悪い。製造過程や出荷前の管理がしっかりしていないから製品にばらつきがでる。
不良品もそのまま出荷されてしまう。

濰坊に来て２日目。中国人社員のＣさん同行で買い物に行った。ヘヤードライヤーを買うとき、Ｃさんは「チェックだ」と言って、ドライヤーを箱から取り出し、コンセントを店内の差込口に差し込みスイッチを入れて動作確認をした。
中国ではそうするものらしい。
中国では物を買うとき、自己責任ということが日本以上に大切だということを学んだ。

とはいうものの、電気ポットのお湯が沸くか、すぐに壊れないかと言うところまで製品チェックできない。
この日に買った電気ポットは、湯が沸くと自動的に電源がＯＦＦになる機能が、１ヶ月で動作しなくなった。Mideaという中国の一流ブランド、湯はすぐ沸くし、洗練されたデザインもお気に入りだったのに。
日本と同じで取扱説明書に保証書も印刷されていていたように記憶しているが、レシートとともに処分した。よって修理できない。湯は沸くので今でも愛用している。
中国では物を買うとき、運にまかせる、時にはあきらめるということが日本以上に大切だということを学んだ。

↑電気ポットとヘヤードライヤー

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◆駅で目的地までの運賃を人に尋ねる、という会話の練習をした。
教科書ではこのようになっている
　　Ａ：すみません。横浜までいくらですか？
　　Ｂ：３００円です。
　　Ａ：どうも。
初めの「すみません」のところで、実習生たちはみんな深々とお辞儀をする。

「すウチの学校は中国人の先生が文法を教えて、日本人の先生が会話を教える。
このようなシステムとっている学校は多い。
「すみません」というときは、頭を下げなさいと教えられたのだろう。
最初にそう教えられると、「すみません」をお辞儀とセットで体が覚えてしまう。お辞儀はいりませんと言ってもお辞儀をしている。

「すみません」は相手に迷惑をかけたときは頭を下げる。そうでない時は頭を下げなくてよろしい。
そのように一言添えて、教えておいてもらえると有難いと思う。


◆朝、何度も「先生、おはようございます」と言う実習生がいる。顔を見ると「先生、おはようございます」。
一人だけではないし、これまでもそういう実習生はいた。
「朝、先生に会ったら“おはようございます”と言いなさい」と教えられて、それを忠実に実行しているのだろう。
もっともこれは、そのうち挨拶は一回で済ますようになる。

挨拶は一回。中国語だって挨拶は一回。同じ挨拶を何回もするのはおかしいと気づくようだ。


◆教科書に載っている駅のイラストについて質問する。
改札にいる駅員を指して「これは、誰ですか？」。
駅にいて制服を着て働いているのはのは駅員。常識だと思う。
しかも教科書の絵で駅員がいるのは改札（切符を切ったり、回収したりするところ）なのだ。駅員以外考えられない。世界の常識だと思う。
ところが、みんな考えている。「駅員です」という答えがなかなか出てこない。
なぜかと思う。
そのうち実習生たちの意見は「警察です」という方向に流れてくる。
なるほど確かに濰坊の駅は中に入るのに、切符をチェックされてさらに荷物検査がある。Ｘ線の荷物検査の機械が置かれ、まるで国内線の飛行機に乗る時並みのチェックをする。警察官もいる。
駅で改札にいるのは駅員とは限らない。中国の駅はそうなっているらしい。

常識にもいろいろあることを学ばせてもらった。


↑濰坊の駅。中国自慢の高速鉄道だって停車する。


◆私のような中国初心者には、中国から教わることはたくさんある。

もっとも、教わったことはどれも日本に帰って役立つとは思えない。