2015.02.28 Saturday
術語集 ~ 気になる社会主義核心的価値観 (3)
工事中、工事中、仲本工事中。文章があまりに長くて、面倒になってきたのでたぶんこのまま放置。毎回こんな長い文章、もうブログとは言えない。気が向いたら完成に向けてちょこちょこ修正していく←ガウディの建築みたいだ
きょうは「術語集 ~ 気になる社会主義核心的価値観」の3回目です。
わたしの中国に対するスタンス(立場)は、「中国にもいいところもあれば悪いところもある。それは日本と同じだ」という、ただそれだけのつもりです。
ところが最近「中国は悪いところしかないが、日本はいいところしかない」みたいな潮流が日本をおおっています。
わたしは、一介のステキな日本語教師にすぎませんから、「“嫌韓・反中”と“愛国ポルノ”が溢れる日本はこれでいいのか。こんな日本を変えなければならぬ」という使命感はまったくありません。
ただでさえ友達少ないのに、「中国にもいいところがあるという変わり者」と思われるとますます友達がつくりにくいではないか、と困っているのです。
そんな中で、わたしが勝手に、誠に勝手にこれはお友達だと思っているブログがあります。
「気になる社会主義核心的価値観」の話に入る前に、
「右下のLinks欄にリンクはったから、わたしのブログを読んでいるんだったらこの2つのブログも読め。いや、読まねばならぬ」
ということを声を大にして言いたいのです。
まずは、『みどりの果敢な北京生活(忍者版)』。
みどりさんの文章のユーモアはもう毎回たまりません。
そして読むたびに、中国人のパートナーを持ち中国語も堪能なみどりさんのブログの中にこそ、日本人の知らない等身大の中国の真実があると思うのであります。
お姿は分かりませんが、さぞかし美しい女性(ひと)であろうということは想像に難くありません。
↑みどりさんの想像図。(つーか、五月みどりやないか!)
そして『hainanshifandaxuenakaのブログ』。
中国の日本語教師さんの文章も、毎回珠玉の言葉のオンパレードです。
今日(2月27日)は『中国の大晦日番組「春晩」が紅白歌合戦・汎アジア版を放映する日』という記事を読んで、やられたと思いました。
「中国の市井の人々の民度は低くなんかありません。少なくとも、日本人と比較してはっきりとした差のあるレベルでなんかありません」「☆☆国の人間は日本人より劣るのだ、ということを未だに思っている人がいたら考え方を改めたが良いと私は思う」とか「キャビンアテンダントさんに熱湯をかけるのは極端ですけど、乗り物の中の困ったちゃんはどこの国にでもいる」って。
これらはズバリそのまま今日わたしがここで書こうと思っていたことなんですけど、先生・・・。
なお、お二人にはこのブログからのリンクを快く許可していただいたのみならず、わたしのこんな駄ブログにお褒めの言葉までいただきましたことを平身低頭して、ぺこぺこと感謝申し上げます。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
前置きが長くなりましたが、「気になる社会主義核心的価値観」の3回目を始めましょう。
今日は、社会に関わる項目:「自由」「平等」「公正」「法治」です。
前回と同じく、中国語の意味はすべてgoo辞書からの引用です。
■ 自 由(じゆう)
自由(zìyóu)[名]自由(な)
【解題】いきなり「自由」からですか(苦笑)。「自由? どこにいったい自由というものが・・・」。はい、はい。まあ話を聞いてください。
自由というとわたしたちは、国民の持つ当然の権利であるということを自明のこととして疑うことすらしません。社会主義の中国ではありとあらゆる「自由」というものは、国民ではなく権力の手の中にある、と考えたらどうでしょうか。そうすると、中国には日本以上のありとあらゆる自由があるということがお分かりいただけると思います。
権力が絶対に手放せない核心的価値の一つとして「自由」が掲げられていると考えたら余計な腹を立てることもないでしょう。
国民に向かってどの「自由」のカードを切るかは指導者がどのような国家ビジョンを持っているかによって違ってきます。鄧小平という人は社会主義市場経済という名の「経済の自由化」という、毛沢東の時代には絶対の禁じ手であったカードを切りました。
言論の自由というカードを切りたかった胡耀邦は失脚しました。
ところでわたしは、よそ様の国である中国の自由より、「中国は自由がないから、国民は歴史にしても政治にしてもホントウのことは何も知らない。日本人は自由があるから歴史にしても政治にしても真実を知っている」と単純に信じて疑わない日本人のほうが心配です。
国境なき記者団が発表した「世界報道の自由度ランキング」は2014年度で、日本は台湾(50位。台湾も一応中国です)、韓国(57位)を下回る59位(※注)。
2015年度の「世界報道の自由度ランキング」では、日本はさらに順位を下げて61位。
はたして「自由? どこにいったい自由というものが・・・」という言葉はいったいどちらに向けて発するべきなのでしょうか。
■平等(びょうどう)
平等píngděng [形]平等(な)
【解題】中国って食堂でも商店でもスーパーでも男性より女性のほうがてきぱきと仕事しています。
男? 面倒なことや、てきぱき動かないといけないことは女性に任せて、楽なほうの仕事をだらだらとしてます。また中国ではバスの運転手が女性であることが珍しくありません。
日本では滅多に見ることのない女性バス運転手ですが、凛としてなかなかかっこいいです。職場での男女平等はアジアでは中国がトップという調査もあります。
中国は不平等(格差)社会というのは主として経済面に目を向けた場合です。
毛沢東の時代は、社会主義の理念にバカ正直に忠実に平等であろうとした時代です。貧しいことは悪ではない、不平等こそ悪であるというのが毛沢東の考えの根本です。
それで、結果的にみんな平等に貧しい中国になってしまいました。
鄧小平は、貧しいことが良いわけがないと考えた人です。まあそう考えるのが普通だと思いますが。
「豊かになれるものから先に豊かになれ」「白猫であれ黒猫であれ 、鼠を捕るのが良い猫だ」(※注1)と開放改革の大号令をかけ、豊かになりたいという中国の人々の欲望をいっきに解き放ちました。
おかげで中国はアメリカに次ぐ世界第二位の経済大国になりましたが、その負の面が今の中国における格差です。
この格差の問題は、共産党のお偉い指導部もちゃんと今の中国が抱える大きな国内問題の一つとして理解しており「近年、中国政府は、農業の発展を一貫して活動の重点としており、農業への資金投入を絶えず拡大し、農民の収入を増やして農村と都市のバランスのとれた発展を実現させるよう取り組んでいる」(China Radio Internationalから引用)そうです。
中国人先生が言ってました。「でも中国は広いです。いつになったら中国全土の格差がなくなるのかわかりません。あと100年という人も、永遠に無理という人もいます」
「広すぎるんだったら、もうチベットと新疆ウイグルを手離したら?」と提案・・・するわけないです。
今の中国の平等主義に関しては宋吉さんという方のこの回答がわかりやすいでしょう。
■公正(こうせい)
公正gōngzhèng [形] 公正な,偏らない
【解題】「公正」も平等と同様に共産党のお偉い指導部もちゃんと今の中国が抱える大きな国内問題の一つとして認識している問題ですね。
強面の習近平は「トラもハエも叩く」といって党内の腐敗を一掃しようと強権をふるっているようです。
↑ トラをたたく習近平さん
話は変わりますが「打飛機(打飞机)」という中国語があります。直訳すると「飛行機をする」ですが、実は英語でいうところの“ Hand Job ”という意味の隠語(英語、中国語にかかわらず、こういう単語は辞書に載ってなくてもすぐ覚える、わ・た・し。ほかにもいっぱい知ってますよ。教えて・・・やらない)であります。
こんなニュースを目にしました。日本人の男が機内でポルノ雑誌を見ながら自慰行為。1月29日、成田空港発のジェットスター便の中での出来事のようです。飛行機の中で一人で飛行機しちゃった(打飛機)わけです。あまりにもできすぎです。
さて、このニュースを読んでどんな感想を持ったでしょうか?
「日本人として恥ずかしい」と思った人は多いでしょうが、まさか「これが我々本当の日本人の姿。日本人の民度だ」と思った人はいないでしょう。
去年の12月に、タイのバンコクから中国の南京へ向かっていたエアアジア機内で、中国人乗客の男女2人が客室乗務員に熱湯を浴びせるという事件がありました。
ところが、中国人が起こしたこの事件には、なぜか「これが本当の中国人の姿。中国人の民度だ」と考える日本人は少なくないようです。
おかしいと思います。論理が一貫せず公正ではありません。
いつの間にか多くの日本人の頭は、ごくごく一握りの中国人の困った振る舞いを見ると、それを中国人一般のモラルであると拡大解釈するという思考回路が組み込まれてしまったようです。
中国の日本語教師さんに先に書かれてしまいましたが「乗り物の中の困ったちゃんはどこの国にでもいる」。
これが正常な判断力であり公正な判断だとわたしは思うのです。
■法治(ほうち)
法治(fǎzhì)[名] 法治,法律による統治,(【反】人治)
【解題】中国に“法治”はない。中国にあるのは共産党のお役人による“人治”だ。こういう日本人はとても多くて・・・・・・・・・・・
法治 ほうち 放置(ほうち)
〈次回へ続く〉
※注1:猫の色については、実は「黄色い猫」と「黒猫」であったとか、英語版の英語版のWikipediaでは「赤い猫」と「白い猫」になっているとか諸説ある。
※注2:


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Comments
いつも、フムフムと思いながらblogを拝見させていただいております。
下節、健在でなによりです。
上海外遊「死語」の件で、Skypeにメッセージ入れておきます。
Comments
いやぁ本当に興味深い情報ばかりです。社会主義に関する部分もそうですけど、日本の小学校で英語を教えることについて、私は激しく同意します。ちなみに、去年の3月、二桁の応募者がいる中で私が採用されたのは(年齢制限を2年もオーバーしていた)中国語を全く話せないということを履歴書に書いたからだそうです。我が海南師範大学では、授業で中国語を話すことは厳禁なのでありました。お書きのこと、1つ1つ、全部納得であります。次の記事も楽しみにしております。
Comments
お二人にはいつも応援ありがとうございますと感謝いたします。
海南島の日本語教師さんには「お書きのこと、1つ1つ、全部納得であります」という言葉は、そのまま海南島の日本語教師さんのブログにも熨斗を付けてお返しします。
新しい記事では、勝手に口出しさせてもらってますが、これからも勝手に口出しするかもしれません。お許しを。
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