2015.09.11 Friday
心理的瑕疵物件 〜 住人が部屋で自殺してます
とりあえず10月からの仕事も決まったことだし、実家に居候状態から脱出するため大阪市内の部屋探しをしていた。
ネットで条件入れて検索。答え一発カシオ・ミニである(←覚えてますか?)。物件がずらずら出てくる。
格安の物件があった。場所も良いし築浅。相場無視の激安。
これや、これ! 早よ手を打っとかんとほかの人に先こされるで・・・。
と言うわけで,ネットで即、不動屋さんにメールを入れた。
メールの発信を確認するや、即、マンション名と「○○区 事故物件」と言う言葉を入れて検索をかけた。
何も該当しなかった。
そして3日後、不動産屋に行った。
「あのー、ネットで連絡した物件ですけど・・・」
わたしの担当になった店員は、「しばらくお待ちください」と言って奥の部屋に入り、まもなく間取り図などを手にして私の前に座った。
「これ、相場から考えてあまりにも安すぎるんですよ」と店員。
「ええ、わたしも気になったのでネットで検索をかけましたが何もヒットしませんでした。でも・・・」
その間取り図には、ネット上にはなかった“心理的瑕疵物件”という文字があった。
「よっぽどの訳ありです。ちょっと確認します」
そう言って店員は、また奥の部屋に消えた
しばらくして出てきた店員は、平静を装いながらも隠された衝撃的事実を告げるのが、そしてそれを聞いた客の反応を見るのが嬉しくて仕方ないといった表情で言った。
「前の住人が部屋の中で自殺してます」
わたしは、科学的合理主義者である。幽霊なんてこの世に存在しない。
幽霊を見るとか金縛りというのは、精神的な知覚が異常を起こしているのである。金縛りは睡眠障害である。それらは科学的にもちゃんと説明できる(※注1)。
わたしは少しも、1ミリも、ぜーんぜん本当のホントウに動揺することは全くなかった。
わたしは、科学的合理主義者である。地縛霊なんてありもしないし、幽霊だって恐くないったら、恐くないのである。
地縛霊が怖い,幽霊が怖いなんて、科学的合理主義者の名が泣くではないか。念のためにもう一度言っておくが、恐くないったら、恐くないのである。
こうして、驚く客の表情を見たいという店員の期待を、わたしは見事に粉砕した。
「それでですね、契約期間もですね、3か月までと大家さんが言ってます。3か月過ぎたら出て行ってもらうと言ってます」
「ええ、3か月ですか。それは困りますね。要するに、3か月誰かに住んでもらってお祓いしようと・・・」
「ええ、その通りです。自殺した前の住人と、次にまともな家賃で貸す人との間に誰かクッションに入ってもらおうということです」
科学的合理主義者であるわたしは、(自殺者の地縛霊が怖いのではなく)3か月しか住めないというのは困るということを、きっぱりと店員に伝え、その物件を断った。
終り。
ところで、このような事故物件は契約前に借り手に伝えないと不動産屋が営業停止処分を受けるので、何も知らず事故物件を契約してしまうという心配はない。
ただ、前の住人が病死というのは知らされなかったりする。ただ、それが孤独死の場合は問題になるそうですが。
でもなあ、中国の部屋は大丈夫だったのかな?
心理的瑕疵はなくても、濰坊でも深圳でも常州でも、いずれもすぐにあちこちが壊れる不良物件であることは確かだったけど。
これを読んでいる在中国のあなたの房間(fángjiān 部屋)もきっとそうでしょ?
それと中国は、投機の対象となっているだけでほとんど人の住んでいない幽霊マンションとか、郊外の土地を大規模開発して高層マンション群を建てたもののいきなりゴーストタウン(幽霊都市)とか多いよな。
共産主義という幽霊(※注2)だけでなく、不動産バブルと言う幽霊もいまだ健在なり。
※注1: 人間がなぜ幽霊を見るのかと言うことに関しては『怪談の科学―幽霊はなぜ現れる』 (中村希明著、ブルーバックス新書)が分かりやすくて面白い。
※注2:「ヨーロッパに幽霊が出る ― 共産主義という幽霊である。」(マルクス エンゲルス『共産党宣言』)
【おまけ】 少年Aがオカシイ。少年AのHPをリンクしておく。気分を害すること必至。全然更生できていないのではないかと思わせる強烈な自己顕示欲と相変わらずの猟奇的趣味をさく裂させている。大げさではなく、本当に吐き気をもよおす人もいると思う。勇気のある人はどうぞ。
問題のHPはここだ
わたしは、彼がすっかり更生しているものだと思ったから、過去の事件をすっかり反省していると思ったから、サカキバラ劇場の主人公として再び世間の注目を浴びたいという願望ではなく、自らの犯した行為を客観的に見つめそれを言語化した本だと思ったからこそ『絶歌』の出版を海南島さんと一緒に擁護したのだ。
出版の自由は断固としてわたしは守るが、世間に再びサカキバラ劇場を創出しようという意図で少年Aが『絶歌』を書いたのだとしたら(そうとしか思えなくなった)、本の内容はまったく信じることができないし、金出して買う本じゃないとしか言えない。
今住んでいる所がまさに現場である(今は無人となっている彼の実家まで徒歩1分だ)ので、近所の本屋には売ってないこともあって、幸い私は買ってなかった。
『花火』のおかげで『絶歌』は急に影が薄くなっているけどね。
今回はホラーネタ2題になってしまった。
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